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高知県

西日本最大の森林鉄道が駆け巡った地域の物語が「日本遺産」に認定森林鉄道から日本一のゆずロードへゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化

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文化庁が地域の歴史的魅力や特色を通じて日本の文化・伝統を語るストーリーを認定する「日本遺産」が4月28日に発表され、高知県の中芸5町村が申請していたストーリー「森林鉄道から日本一のゆずロードへ−ゆずが香り彩る南国土佐・中芸地域の景観と食文化−」が認定されました。

日本遺産は27年度からスタートし、過去37件が認定されています。29年度は新たに17件が追加され、高知県では四国遍路~回遊型巡礼路と独自の巡礼文化~についで2件目となります。

日本の林業発展に大きく貢献した「森林鉄道」は、山から伐り出した木材を運搬するための鉄道で、明治時代から昭和40年代ごろにかけて活躍しました。全国各地の国有林で整備され、その合計は1,174路線8,180km(林野庁調べ)にも及びます。明治時代には、トロッコに木材を積み自然の勾配を利用して動かしていましたが、大正10年には機関車が導入。次第に蒸気機関車からガソリン車、木炭ガス車、ディーゼル車と移り変わり、木材の大量輸送を可能とし、林業の振興に大きく貢献しました。
                                               

県面積の森林率が84%と日本一を誇る高知県は、豊富な資源を生かして林業で発展を遂げてきました。特に雨量も豊富な東部の「中芸地域(奈半利町・田野町・安田町・北川村・馬路村)」は、「魚梁瀬杉」という銘木の産地として一目置かれています。森林鉄道は、かつて国の営林署が置かれていた山間の馬路村・北川村から、海岸沿いの安田・田野・奈半利町を環状に繋ぐように整備されました。木材の搬出だけでなく、子供達の通学、荷物の運搬などにも利用され、まさに生活を支える存在だったのです。いまでも、中芸地域にはその繁栄の跡をみることができます。平成21年、魚梁瀬森林鉄道の5カ所の隧道と9基の橋梁が森林鉄道遺構として複数町村にまたがる広域指定では日本で初めて「国重要文化財」の指定を受けました。

林業から、日本一のゆず産地へ
時代の移り変わりと共に林業が縮小するなか、中芸地区の人々が新たな産業として取り組んだのが、ゆず栽培です。
                                              

中芸地域のゆず栽培は、北川村で生まれ坂本龍馬とともに京都で暗殺された中岡慎太郎が、村人のために

推奨したといわれている。この地区には、ゆずの果汁を酢の物や刺身にかけて食べたり、ゆずの果汁でしめたご飯に野菜をのせた田舎寿司を食べる当時からの習慣が、今でも受け継がれています。

そんなゆずの魅力と価値に改めて注目した地域の人々は、ゆずを産業化するため、軌道が敷かれた川沿いの

土地や、木材を運び出していた山間を次々とゆず畑に変えていきました。今では、地区全体の作付面積は200haを超え、生産量は日本一。欧州をはじめとする世界各国へ輸出するまでになりました。また、一次産業から加工業も盛んで、各町村でジュースやポン酢などの開発・製造も盛んに行われています。全国的に知られる「ごっくん馬路村」も中芸地区で生まれた商品です。

日本遺産に認定された高知県<中芸地域>は、高知市内から東に約50キロに位置する。四国山脈から流れる安田川と奈半利川の2本の清流には、天然鮎が泳ぎます。河口には、雄大な土佐湾を背景に、土佐漆喰や水切瓦、いしぐろ(石塀)が用いられた屋敷や酒蔵が立ち並ぶ町並みが広がっています。この中芸の地を爽やかな香りで包み、目に鮮やかに彩るのが「ゆず」です。

構成文化財の位置図

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