~ひとり親2000世帯への調査から~
特定非営利活動法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会(所在地:東京都、理事長:赤石千衣子)は、ひとり親世帯における生活保護制度の利用状況と自動車保有の実態に関する調査を実施しました。
約1967人の当事者アンケートと27人のインタビューから、自動車保有制限が生活保護制度の利用をためらう大きな要因となっている実態が明らかになりました。
調査の背景
2025年、生活保護基準引き下げをめぐる裁判で最高裁が削減を違法と判断し、生活保護制度のあり方が大きく注目されています。
一方で現在の制度では、生活保護受給者の自動車保有は原則認められておらず、例外的に通勤や通院など限定的なケースのみ認められています。
しかし地方では公共交通の縮小が進み、子育て世帯にとって自動車は生活必需品となっている地域も少なくありません。
ひとり親家庭の支援現場では
・車が必要なため生活保護を申請できない
・車を手放すと通勤や子どもの送迎が困難になる
といった声が寄せられてきました。
そこで当団体では、ひとり親家庭の生活実態を把握するため調査を実施しました。
調査概要
■調査対象
ひとり親家庭の当事者、または元当事者
■調査方法
WEBアンケート+インタビュー
■調査期間
2025年9月5日~2月末日
■回答数
1967人
■インタビュー
27人
調査から見えた主なポイント
1.子育て世帯にとって車は生活必需品
多くの回答者が、通勤や保育園・学校の送迎、買い物などの生活において
自動車が不可欠であると回答しました。
特に地方では公共交通機関の減少により、
車がなければ生活が成立しない状況があることが明らかになりました。
2.車保有制限が生活保護利用の壁に
生活保護制度では自動車保有が原則認められていないため、
・生活保護を受けるために車を手放す
・車が必要なため生活保護申請を断念する
という選択を迫られるケースがあることがわかりました。
3.制度と生活実態の乖離
調査からは
・制度上の制約
・生活実態とのギャップ
・生活保護へのスティグマ
などが複合的に影響し、
制度の利用をためらう要因となっていることが示されました。
(出典:報告書 p.51)
当事者の声(一部)
「車を手放したら仕事に行けなくなる」
「子どもの送迎や通院ができない」
「生活保護より車を選ばざるを得なかった」
調査では、生活保護制度と生活実態のギャップに苦しむ当事者の声が多く寄せられました。
今後の提言
当団体では本調査を踏まえ
・生活保護制度における自動車保有要件への「子育て世帯」追加
・生活実態に即した制度運用
・制度利用に対するスティグマの解消
などを求めていきます。
団体概要
特定非営利活動法人ひとり親家庭サポート団体全国協議会
全国のひとり親支援団体のネットワーク組織として、当事者支援・調査研究・政策提言などを行っています。