都市と自然を行き来するライフスタイル実践の効果、初期分析結果を公表
日鉄興和不動産株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:三輪正浩、以下「日鉄興和不動産」)が運営する総合研究所「Future Style総研」、株式会社SANU(本社:東京都目黒区、CEO:福島弦、以下「SANU」)、株式会社JDSC(本社:東京都文京区、代表取締役:加藤エルテス聡志/佐藤飛鳥、以下「JDSC」)の3社は、都市と自然を行き来する多拠点生活がウェルビーイングに及ぼす影響を科学的に解明する共同研究を進めています。
このたび、SANU 2nd Home会員196名・非会員218名を対象とした初期調査の分析結果を公表します。分析により、多拠点生活の実践者は非実践者に比べ ウェルビーイングへの期待水準が高く、自然拠点での滞在においてリラックスや自然体感にとどまらず、集中・内省といった認知的側面でも充足が高まる傾向が示唆されました。なお、本調査は予備的分析であり、因果関係の確定は今後のフェーズ(生体指標・行動データとの組み合わせ)で検証します。
背景と研究の目的
働き方の柔軟化や価値観の多様化を背景に、都市住民の生活は単一拠点から複数拠点へと拡張しつつあります。国土交通省の調査(※1)では都市住民の約3割が二地域居住に関心を示すなど、多拠点生活は新たなライフスタイルとして広がりを見せています。一方で、その心理的・生理的影響を構造的に捉えた研究は、国内外において十分に体系化されていません。本研究は、生活様式の変化を個人の体験レベルにとどまらず社会構造として捉え直し、次世代の住環境・ライフスタイルに資する知見の創出を目的としています。
調査概要
[表: https://prtimes.jp/data/corp/60549/table/118_1_722d370c01b65bbc36f1bac9c961089c.jpg?v=202605010345 ]
初期分析で見えてきた主な示唆
1.SANU 2nd Home会員では、ウェルビーイングに関わる時間への期待水準が高い傾向
両属性とも“ウェルビーイングに関わる時間”を重視する傾向は共通して確認されましたが、「極めて大切」と回答した割合に着目すると、SANU 2nd Home会員が非会員に比べ、多くの項目で高値を示していることが明らかになりました(図1参照)。特に、「深いリラックス」「深い喜び」「対人関係」「楽しいことへの没頭」「趣味・余暇を満喫」「自由を実感」や「自然の体感」などに関わる項目で、期待水準の高さが確認されました。
図1.ウェルビーイングに関わる時間への期待水準―「極めて大切」と回答した割合の2群間比較―

注)各項目において、「極めて大切」と回答した割合を SANU 2nd Home 会員と非会員で比較。 群間比較では、複数項目で統計的有意差を確認した(χ 二乗検定を用い、有意水準はp < 0.05, p<0.01, p<0.001)
2.自宅と宿泊先で異なるウェルビーイングの充足構造が確認
宿泊先では、「深いリラックス」「自然を体感」「自由を実感」「仕事や学習への集中」「内省・洞察」といった項目で、SANU 2nd Home 会員が非会員に比べ、充足側に寄る傾向がみられました。
一方、自宅では、上記にあがったほとんどの項目で、非会員の方が充足側に寄る傾向がみられました。なお、自宅で非会員よりSANU 2nd Home会員の方が充足に寄る傾向がみられたのは「仕事や学習に集中」のみであることが明らかになりました。
宿泊先が、回復的要素に加え、「集中」や「洞察・内省」といった認知的側面でも充足がみられ、都市生活から距離を置くことが、注意の切り替えや自己調整を伴う状態変化に関与している可能性がうかがえる一方で、同様の項目が自宅で充足されると認識する層の存在も確認されました。
今回の結果から得られた示唆
今回の調査は、多拠点生活が心身に与える影響を構造的に理解するための、最初の一歩です。
初期分析を通じて見えてきたのは、「多拠点生活」を単なる居場所の話として捉えるのではなく、「どこにいるか」と「何を大切にしているか」の両側面から読み解くことの重要性でした。
ウェルビーイングへの意識が高い都市生活者にとって、自然のなかでリラックスし、自分を取り戻す時間は、単なる休息以上の意味を持ちます。リラックスや自然との触れ合いといった回復的な体験に加え、集中や内省といった認知的な切り替えの場としての機能も、心身のバランスを整え、ウェルビーイングを高める可能性が示唆されました。
本研究は複数フェーズで構成されており、今後は、生体指標・行動・環境要因を組み合わせることで、多拠点生活が心身に及ぼす影響の構造的理解をさらに深化させていきます。「どのような条件・頻度・場所の組み合わせがウェルビーイングを高めるか」という実践的な問いへの答えをデータから導き出すことを目指します。
得られる知見は、以下の領域への応用を見据えています。
- 住宅・都市開発(日鉄興和不動産):ウェルビーイングに資する住環境・拠点設計の指針、多拠点事業の推進
- 多拠点型居住サービスの進化(SANU):「自然と共に生きる」ライフスタイルの意義を科学的に示すエビデンス構築、および滞在体験のパーソナライズ
- データ駆動型ソリューションの開発(JDSC):行動ログ・生体データを活用した居住体験プラットフォームの高度化、および不動産・住環境領域における企業・自治体との協業展開
3社の役割
本研究は、以下の役割分担のもとで推進しています。
- 日鉄興和不動産Future Style総研:住まい・都市の将来像を見据えた研究統括
- SANU 2nd Home:多拠点生活の実践フィールドの提供、および都市と自然を行き来するライフスタイルを歩む実践者との共創機会の創出
- JDSC:AI・データ分析によるエビデンス構築、独立した第三者視点からの分析設計と解釈
(※1)https://www.mlit.go.jp/2chiiki/files/23112802kokudo.pdf
■Future Style総研について
運営:日鉄興和不動産株式会社
URL: https://futurestylesoken.jp/
活動内容: Future Style総研は未来から発想するための 研究所です。暮らしや働き方などのさまざまなシーンを未来思考で見つめ、研究し、人生を豊かにする「新しい価値」を生み出すことを目的としています。過去にはシングルライフに特化し調査研究を行う「+ONE LIFE LAB」、最新の技術やテクノロジーを他企業と共創する「Co-Creation BASE」などのプロジェクトを推進しています。
■ 株式会社SANUについて
URL:https://2ndhome.sa-nu.com/
日本各地の美しい自然の中に独自建築した「自然の中のもうひとつの家」を提供する会員制セカンドホームサービス「SANU 2nd Home」を運営しています。「Live with nature./自然と共に生きる。」を掲げ、都市生活を基盤としながら自然を日常に取り込むライフスタイルを提案。サブスクリプション・法人契約・共同オーナー型まで多様な選択肢を展開し、2026年4月現在、国内36拠点・240室を運営しています。
■ 株式会社JDSCについて
URL:https://jdsc.ai/
JDSCは、AIエージェントとデータサイエンスを核に、日本の基幹産業の変革を進めるテクノロジーカンパニーです。製造・物流・インフラ・公共などの現場に深く入り込み、DXやAXによる意思決定の高度化から、フィジカルAIによる現実世界の最適化・自律化までを実現。社会課題を解決する新たな産業スタンダードを創り、日本のアップグレードに貢献します。