元獣医師という異色の経歴をもつ細胞アーティストOuma(オーマ)。「ギャラリー懐美館(なつみかん)代官山」(東京都渋谷区)では、9月13日まで、Ouma個展「世界を変える意志」が開催されている。
Oumaは、臨床医時代に亡くなった担当患者の絵を描き、手紙を添えて家族に送り始める。その数は100以上。手術や薬だけでない“癒し”の可能性を探究するため、2011年よりアート活動を開始した。
同展は、“世界への影響力”をテーマにした、大型の切り絵を含むインスタレーション作品展。切り絵は、手術用メスのメーカー、FEATHER社製の精密ナイフなどを使用して制作。切り取られた空間の見え方は、人が動くことによって変わる。また、カラフルな布が雨のように降る「The WorldⅢ(2015)」では、吊るされた布を鑑賞者が好きな色の布と付け替えることができる。
そのほか、バネ端材を糸状に吊るした「不完全性(2015)」など、視覚的な形状のおもしろさや、触れることを楽しめる作品も設置。Ouma作品全体のテーマは“生命”“生きていること”。以前に展示した作品を分解、再構築して新作にしたものや、端材をアップサイクルした作品により、“生命の循環”を表している。
また、同展では、日々展示品の設置方法を変えることで、“生きる展示”としての表現を目指している。
作品を通して、これまでとは違った何かが見えてくるかもしれない。もっと詳しく知りたい人はこちら(http://oumavet.com/)を見てほしい。
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