「清昌堂やました THE ROOM」は、串野真也氏の展覧会「忘却の旅人 – 人間讃花」を6月25日(土)までの期間、開催している。

清昌堂やましたは別館として「清昌堂やました THE ROOM」をオープン

弘化4年(1847年)に京の都に創業して以来、170年に渡り新古茶道具の商いを続ける清昌堂やましたは、別館として「清昌堂やました THE ROOM」を今春オープンした。京都に所縁のある国内外のアーティストや、小学生の美術教育をサポートするプロジェクトスペースとして、始動している。

アーティスト串野真也氏が人間の歩みや歴史、死生観を問う同展覧会は、伝統と革新、過去と未来を行き来する京都という街から発信されるからこそ、意味のある機会だと「清昌堂やました THE ROOM」は考えるという。

「靴」を彫刻作品へと昇華

京都を拠点に活動する串野氏は、伝統と技術を巧みに取り入れながら、「靴」を彫刻作品へと昇華させる。同展覧会では、人間そのものの歩みや歴史、死生観などのテーマによって強く影響を受けた作品を展示している。

「靴 − それは一歩一歩を刻む、人の歩みを象徴し、少しずつ前進していく私たちの人生を表す彫刻でもあります。生きることは記憶の連続であると同時に、忘却の連続でもあり、忘れることによって、膨大な記憶の重力から解き放たれ、私たちは一歩前へと足を踏み出すことができるのではないでしょうか。しかし、記憶の忘却は永遠に失うことではなく、歩んできた時間の中に連なる壁の隙間にそっと潜み、何かがきっかけでその記憶は必要な時にだけ話しかけてくる」と、串野氏は話す。

花の一生のように咲き、そして枯れ、新たに芽吹く、美しくも儚い軌跡。花を人の人生、靴を花器に例える串野氏は、作品を通し、前へと伸ばすその一歩を励まし、忘れながらも生きゆく人生を讃えている。

トークイベント「Dialogue–ダイアローグ」を開催

また、6月4日(土)17:00～18:00に、「清昌堂やました THE ROOM」にて、串野氏と陶芸家である十六代樂吉左衞門氏のトークイベント「串野真也×十六代樂吉左衞門 Dialogue – ダイアローグ」を開催。異なる伝統芸術を担いつつも、同志として尊敬の念を抱きながら、独自の発展を遂げる同世代の二人の作家の対話を楽しもう。

同イベントの定員は、先着35名。予約が必要なため、参加希望者は、申し込みフォームから受付を。

串野真也氏の展覧会「忘却の旅人 – 人間讃花」と共に、トークイベントもチェックしてみて。

■清昌堂やました THE ROOM
住所：京都市上京区小川通寺之内上る2丁目禅昌院町636番地
営業日：土曜、日曜、月曜
営業時間：12:00～17:00

「串野真也×十六代樂吉左衞門 Dialogue – ダイアローグ」予約：https://seishodo-theroom-dialogue3.peatix.com/

串野真也氏Instagram：@kushinomasaya
©oka haruka