着物と洋服の境界線を無くす新ブランド「ni yori」が、第一弾として和装・洋装を問わず羽織れる「EMON Coat 衣紋コート」をリリースし、WEBサイトを開設した。
着物コートに対するストレスがきっかけで誕生
着付師である加藤咲季氏が、ドレスデザイナーの藤本マキ氏を迎え、2人で立ち上げたブランド「ni yori」。
第一弾の「衣紋コート」は、加藤咲季氏が常々感じていた“着物コート”に対するストレスがきっかけで誕生した。
着物用のコートは、隙間風が多く入ってくるため、着ていても寒いことが最大のネックだった。現代では、着物を着るときに衣紋を抜いてすっきり女性らしく魅せる人が増えたが、衣紋を抜くと首元が開いて冷えてしまうのだ。これまでのコートはどれも、着物の衿にコートの衿を沿わせて着るものだったので、首の後ろを塞ぐことは不可能だった。首元を冷やさないようマフラーをすると、うまく巻けなかったりセットした髪型が崩れてしまうことも。手首の部分も大きく開いているものが殆どで、隙間風が入り、手袋をしていても腕が冷えてしまう。
また、どれも同じような形でデザイン性がなく、「着物のコートはこういうもの」といった諦めにも似た空気感が着物を着る人の中にはあり、着物コートに対して同様の不満を持つ人も多いことがわかったという。
着付師とドレスデザイナーによるブランド
そこで、加藤氏が機能性やデザイン性を網羅した全く新しいものをデザインできる人として、フルオーダーのウェディングドレスを製作し、女性の魅力を引き立たせる方法を知り尽くしているドレスデザイナーの藤本マキ氏に声をかけ、コート作りがスタート。「衣紋コート」ひいては「ni yori」誕生のきっかけとなった。
ブランド名「ni yori」は、“2人”が結びつき、“2”より広がる、“2より”大きく成長していくことを意として名づけられた。
衣紋のフォルムを後背に配したコート
「衣紋コート」は、歴史と気品ある英国のトレンチコートがベース。着物を着る際に形作る衣紋を崩すことなく皮膜で包み込み、美しい放物線を描いたシルエットで衣紋を再表現している。
日本の職人の卓越した技術により再現された衣紋のフォルムを後背に配したこのコートは、和装の上に羽織れるのはもちろん、洋装の時にも和の名残りが感じられる特別な仕様(特許出願中)となっている。
ボックスプリーツがAラインのシルエットに抑揚を与え、華奢な印象を演出しながら帯をしっかりと覆う。
ブラウジングされた袖は、着物の袂(たもと)を内包するゆったりとした構造となっており、カフスは2段階にサイズ調節が可能で着こなしの幅を与える。
やわらかく光沢感のある高密度なバーバリー生地を使用し、和装、洋装、普段遣いからフォーマルまで幅広く着用できるフレキシブルな1着だ。
カラーは、LIGHT BEIGE(ライトベージュ)、KHAKI(カーキ)、NAVY(ネイビー)の3色。
11月3日(木)〜18日(金)には、東京・大阪で開催した「衣紋コート」の試着展示会に80名程が来場し、“着物愛好者を冬の寒さから守ってくれる”と好評を得たという。
和装・洋装を問わず羽織れる「ni yori」の「衣紋コート」をチェックしてみては。
ni yori ブランドサイト:https://niyori.site
ni yori オンラインストア:https://niyori.stores.jp/
(山本えり)