民間団体・企業の複合体である中国旧暦新年東京タワーレッドライトアップ実行委員会は、日中友好関係の促進を目指し、旧暦の大晦日にあたる1月21日(土)に「東京タワー レッドライトアップ2023」を実施。
中国旧暦新年の東京タワーライトアップは2022年に続き5回目の実施となり、東京タワーのインフィニティ・ダイヤモンドヴェールを使用し、通常時とは異なる赤色に点灯する限定のライトアップイベントだったという。
「シャンシャン」へのはなむけの意も
今年の点灯式は、春節を祝うとともに2023年の2月に中国に帰国する上野動物園のジャイアントパンダ「シャンシャン(香香)」へのはなむけとして執り行われた。
点灯式には着ぐるみのシャンシャンと、中国で人気のうさぎのキャラクター「テンテン」が駆け付け、多くの参加者と共に春節を祝ったという。
東京・上野動物園で飼育されている日本生まれのシャンシャンは、2月21日(火)に日本を離れ中国へ帰る。
祖国へ帰るシャンシャンを迎えに、うさぎのテンテンが北京からやってきたとし、シャンシャンとテンテンによって点灯ボタンが押されると、パンダとウサギのコスチュームに身を包んだ子どもたちが一斉に2023個の黄色い風船を夜空に放った。
ビデオメッセージなどでたくさんの祝辞も
点灯式には、ビデオメッセージなどでたくさんの祝辞も寄せられ、福田康夫元内閣総理大臣は「みなさまこんばんは。今日は旧暦の大晦日です。いよいよ明日から楽しみにしていた春節が始まります。今晩は皆様と共にお祝いをしたいと思います」と挨拶。
「これまで3年もの長い間コロナ禍は私たちの生活に大きな影響をもたらし、日中間の交流まで途絶えてしまいました。こんなことは今までなかったことで、みなさまも大変辛く苦しい日々をお過ごしになったことと思います。新年は、1日も早くコロナが終わり、人の交流が復活し、日中間で多くの交流の機会が生まれ、活発になっていくことを期待します。本日の東京の力強い赤いライトアップは、みなさまの大きな期待の象徴です」とライトアップへの期待の声を寄せた。
「日本人が大好きな上野動物園のシャンシャンは日本で生まれ育ち、やがて5歳になります。大変残念なことですが、もうすぐ中国に帰国することになります。日中平和、友情のシンボルとして人々に愛されつづけてきたシャンシャンには故郷でゆっくり休んでいただきたいと思います。皆さまのご健康と日本中国をはじめとするアジア、そして世界の平和と繁栄をお祈りして、春節の挨拶とさせていただきます」とビデオメッセージを締めくくった。
実行委員長は「今回は5年目の開催です。毎年準備がとても大変ですが、今思えばそれも貴重な思い出です。日本にいながら皆さまと共に祖国や日中の未来を思い、赤い光は未来を照らしていってくれると願います」とライトアップに込めた想いを話した。
点灯後は、モンゴル族シンガー斯琴格日楽(スチングリラ)さんと子どもたちによる歌とダンスが式典を盛り上げた。
(さえきそうすけ)