釣り禁止となっていた静岡県西伊豆町の田子漁港は、アプリ「海釣りGO」による釣り人受け入れを、7月末より再開する。
「海釣りGO」が生まれた背景
コロナの流行と共に、密にならないレジャーとして海釣りの人気が急上昇。一方で、ルールがない中での海釣りはトラブルが発生しがちで、日本各地の港が次々に釣り禁止となっていった。
それにより、なんとか釣り人を受け入れていた地域にもさらに釣り人が集中するという悪循環が起きている。
田子漁港でも、漁業者と釣り人のトラブルが元となり、2022年7月より釣りが禁止に。
“このままでは海釣りという身近な遊びを次世代へ残せない、なんとかしなくては”という危機感のもと、地元住民・漁協・町・民間企業が想いをひとつにし生み出したサービスが「海釣りGO」だ。
釣り人を漁港利用者の一人として位置づけ
「海釣りGO」は、釣り場予約の際、釣り人を責任ある漁港利用者の一員として位置づけ、ルール遵守を自然な形で義務付けている。また、利用時間に応じて釣り人は費用を負担し、漁港管理者を通して漁港の維持管理・資源保護に貢献できる。
費用はスタッフの巡視にも充てられ、漁港施設の継続的な美化が実現するだけでなく、地元雇用も創出。システム上で釣りエリア・侵入禁止エリアを制御できるため、従来の海釣り公園のような設備投資コストが不要であり、24時間受付により夜間や早朝の釣りにも対応している。
この取り組みは、令和5年度をトライアルとして位置付け、伊豆漁業共同組合 田子支所が事業主体となり、さかなファームのサポートのもと、サービスが運用される。また、このトライアルは、西伊豆町の推進する地方創生事業「森と海の6次産業化プロジェクト」の一環として実現したものだ。
手ぶらできてもすぐに釣りを楽しめる!
同アプリのリリース後は、田子漁港で釣りを楽しめる。田子漁港は、深い湾内に多様な魚種が回遊し、夕暮れには西伊豆町の誇る美しい夕日が空を染める、人気の釣り場だ。
指定駐車場から釣りエリアへのアクセスが容易で、港内にはトイレが完備されており、近隣には漁協ストアーを始めスーパーや料理屋もあり、家族で訪れることも可能だ。人数制限・駐車台数制限を行うため、釣り場がない、駐車場がないといった心配も不要なのも嬉しいポイント。レンタル釣具が用意されているので、手ぶらで来てもすぐに釣りをはじめられる。
料金は、釣り場利用1時間につき300円で、小学生以下は無料。駐車場は、1時間につき100円だ。釣具レンタルは、1回500円となる。
釣り場利用料、駐車料金は西伊豆町による条例で指定されている。また釣具レンタルはサンフレッシュ田子店の営業時間である9:30~18:00のみ対応しており、当日の返却が必要だ。なお、サービス内容は予告なく変更される場合がある。
漁港の釣り場予約サービス「海釣りGO」を、この機会にチェックしてみては。
海釣りGO:https://umigo.app
(江崎貴子)