日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、埼玉県旧江南町(現熊谷市)を写真とともに紹介する。
Vol.29/埼玉県旧江南町(現熊谷市)
旧江南町の立地を考えると、熊谷市や深谷市のベッドタウンとしての割合が、まずは大きいのではないだろうか。訪れた印象としても「暮らし」を感じる部分が多く、アパートもあれば戸建ての集合住宅も並んでいた。
大沼公園では、一人の男性が釣りをしていた。生まれは和歌山で、定年まで居酒屋で働いていたと。料理をつくるのは好きだったから、休まず働いて、たのしかったと。
そして、今は旧江南町に住んでいて、天気の良い日は釣りをしている。それも、悪くないと。
人生にはその人にしかない道がある。ありとあらゆることが、複層的に、同時進行で起こっている。まちも、そうやって進行してきた人の暮らしの結晶だ。差はあれど、人の命のように、まちに寿命もあるだろう。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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