日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧倉渕村(高崎市)を写真とともに紹介する。
Vol.65/群馬県旧倉渕村(高崎市)
旧榛名町から山道を抜け、旧倉渕村へやって来た。まちの中心部は標高500mほど。しかし、小高い場所にあるにも関わらず、烏川を中心に山々がひらけていて、空が広い。なだらかな斜面に積まれた石段と畑。それはとても牧歌的で美しい風景だった。
小栗上野介(おぐりこうずけのすけ)は、江戸時代幕末期の家臣だ。渡米の経験から、海外の先進文化を持ち帰り、日本の近代化のために尽くした人物。だが、当時は明治時代ではなくて幕末期。反逆の罪によって、故郷のこの地で命を落とした。明治時代ではなく幕末だったことが、悲しい結末を生んでしまった。江戸と明治では、同じ思いであっても、生じる結果は紙一重で、なおかつぜんぜん違ったのかもしれない。
次回は、群馬県旧松井田町(安中市)を写真とともに紹介予定。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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