広島県広島市のエディオン蔦屋家電では10月14日(土)に、『作業療法士が伝えたい ケガをしない家づくり』の出版記念トークイベントが開催され、著者であるHAPROT代表・満元貴治さんが講師として登壇する。
執筆のきっかけ
満元さんは作業療法士として、11年間臨床現場にて従事してきた。「人を救いたい」と飛び込んだ世界では、残酷な事実を突きつけられたという。ケガをした人が手術、リハビリを行っても歩いて帰れなくなったり、介護が必要になったり、後遺症が残ってしまったりと、様々なケースを目の当たりにする。
「ケガはすぐ治るから大丈夫」と思われがちだが、一度の転倒・転落により人生が大きく変わってしまう人も多く、それに伴い、家族の人生も変わってしまう。住宅内で発生する事故が多く、無事退院しても、再度住宅内で転倒・転落を起こしてしまうこともある。
ケガをする前に救いたい
そこで彼は、ケガをする前に人を救うべく医療業界を飛び出し、住宅業界で活動することに。事故を予防する住宅内環境の実現に向け、医療現場での経験、作業療法士の知識を基に、安心・安全な間取りの基準である「安全持続性能」を提唱する。
転倒・転落などの住宅内事故を予防するための設計である「安全性」、身体状況、ライフスタイル、家族構成が変化しても住み続けられる設計の「持続性」、これら2つのカテゴリーで玄関、階段、トイレなど合計13項目の基準から構成されている。
満元さんはHAPROT代表、作業療法士、安全な家づくりアドバイザーとして活動中。独立以降、広島県主催の講演会講師、広島大学医学部保健学科の特別講座講師などを務めている。SNSの総フォロワー数は10月現在1.6万人。3児の父で、2016年には自身も住まいづくりを経験した。
予防医学の観点から間取りを提案
住宅業界では、病気やケガなど、何か起こったらリフォームを考えればいいという風潮がある。しかし、満元さんは予防医学の観点から、身体の変化が起こることを前提にした住まいづくりが大切だと提言。新築、リフォーム・リノベーションなどの段階で間取りを考えておくことで、住宅内事故を防ぐことができる。
『作業療法士が伝えたい ケガをしない家づくり』は、高齢者の危険だけでなく、子どもや妊婦にとっての危険についても解説。全世代を対象に「なぜ住宅内事故が起こるのか?」という部分を深掘りした内容になっており、読んだ人にとって住まいづくりだけでなく、暮らし方が変わるきっかけになると注目されている。
イベント概要
出版記念トークイベントの開催日時は、10月14日(土)14:00~15:00、会場は広島駅・エディオン蔦屋家電 3Fイベントスペース。「リハビリの専門家が考える住宅の安全とは?」がテーマで、参加費は無料。申し込みなど詳細については下記URLで確認を。
全世代を対象にした住宅の安全を考えるトークイベントに参加してみては。
■出版記念トークイベント
会場:エディオン蔦屋家電
住所:広島県広島市南区松原町3番1-1号 EKICITY HIROSHIMA
参加申し込み:https://edion-tsutaya-electrics.jp/hiroshima/event/2023/09/yoshironoie.html
(さえきそうすけ)