8月、映画・アートの力で市民一人ひとりに新しい選択肢をもたらし、社会課題解決への変容を目指す「ブラックスターレーベル」が設立された。
アートを介して対話のキッカケを
「ブラックスターレーベル」は、『Art With Neighbors』をコンセプトに、アート/エンターテイメントが隣人として寄り添うことで、人々が自然体で社会の在り方に関心を持ち、ゆるやかな行動を起こしていく世界を目指すNPO法人だ。
同団体は、社会課題に関するアート/エンターテイメント性の強い映像作品を生み出し、課題の認知を広めるという映画の特性を活かした役割と共に、人々がアートを介して分断を越えた対話のキッカケを作り、課題へ立ち向かうことをサポートしていくという。
映画を通じた社会参加
こうした背景から設立された「ブラックスターレーベル」は、3つのアプローチにより活動を展開。
1つ目は、映画興行による映画を通じた社会参加。
「ブラックスターレーベル」では、複雑化する社会課題をテーマにした映画作品を制作していく。また、鑑賞者一人ひとりに内省と対話を促す作品を各地の映画館等で上映することで、地域の中に人々のつながりの場を生み出し、取り扱う社会課題への理解や関心を深めることも含め、これまでにはない市民の社会参画を促すきっかけをつくる。
新作映画「Dance with the Issue」は、1時間の映画本編と共に30分のシネマティック・リフレクション(内省パート)が作品に組み込まれている。
同作のコンセプトでもあるコンテンポラリーダンスを媒体に、意識を身体の内側に向けるワークを行い、映画による体験を感覚的に捉え、自分自身が本当に求めていることや未来のオルタナティブな可能性に気が付くだろう。
対話と教育の場の創出
2つ目は、ワークショップによる対話と教育の場の創出。
作品ごとのテーマである社会課題について、映画のリソースを活用し、対話の場やワークショップ、教育プログラムを開発・提供。
これにより、従来の映画鑑賞を超えた、深い気づきや対話への参加を促す。
それぞれの地域や組織の中で、既に課題に取り組む人々や、学校などの教育現場での活用も進めていく。
寄付金によるコミュニティ形成
3つ目は、ネイバーシップ(寄付金)によるコミュニティ形成。
レーベルの取り組みに共感し、共に活動を広げていきたい方々に対して、一般寄付とは別にコミュニティサービスを有償で展開。情報発信の場を設け、継続的に仲間を増やしてつながりあえる場を創出、強固なコミュニティを築いて社会へアクションを起こす人を増やしていく。レーベルの活動全般への寄付も常時受け付けている。
レーベル設立発表会を実施
同団体は、9月29日(金)にSHIDAXカルチャーホールにて、報道関係者および応援者に向けて、レーベルの設立および新作映画の発表会を実施。
約50名が参加し、レーベル設立に対する想いや今後展開していく事業について説明した。
同団体の取り組みが社会や街の課題に対し、どのような意味を持ち貢献できるかゲストを交えたパネルトークも実施。
また作品上映時には、当日会場でも対話が生まれ、参加者一人ひとりの感じたことを分かち合うひとときとなったという。
様々な活動を通じ、社会に変化をもたらす新たな可能性に挑戦し、社会性と経済性の両立を目指す「ブラックスターレーベル」のこれからに注目だ。
ブラックスターレーベル:https://blackstarlabel.org/
(山川温)