11月3日(金)・4日(土)の2日間、東京都港区の水辺の複合施設「ウォーターズ竹芝」にて、学生たちが“古の庭”に想いを馳せ、“新しい庭”を創る『みらい作庭記2023』が開催される。
3Dプリンタで生まれる“あかりの庭”
ウォーターズ竹芝は、昨年に引き続き、慶應義塾大学 田中浩也 環境情報学部教授率いる慶應義塾大学湘南藤沢キャンパスの田中浩也研究室と連携し、研究室の学生たちとともに東京の水辺空間に“新しい庭”を創る取組みを行う。第3弾となる今年は、3Dプリンタ特有の造形表現と照明の融合を通して、夜の屋外空間を再構築した展示を披露する。
タイトルは『みらい作庭記2023』。
『作庭記』は平安時代に書かれた日本最古の庭園書で、「枯山水」という語の初出文献だ。作庭の基本的な作法がまとめられ、現代にも影響を与えている。
『みらい作庭記2023』では、同書の方法を継承しながら、3Dプリンタを使用し、新たな夜あかりと屋外空間の再構築を目指した。竹芝の土地、人、環境と呼応しながら、その場所だからこそ生まれる「みらい」の庭が誕生する。
展示されるのは、「あかりのひょうちゃく」「あかりのたわむれ」「オリアソビ」の3作品だ。
あかりのひょうちゃく
「あかりのひょうちゃく」を制作したのは、 同大学総合政策学部3年の松岡佑馬さんと、環境情報学部3年の髙橋美帆さん。
二人は作品について、「新たな住処を求める発光生物達は沢山の生物が住む地球にやってきました。彼らが最初に着いたのは人里から離れた山奥。そこから流木に乗って海を漂流し、ウォーターズ竹芝にも辿り着いたようです。人間から排除されないように、『外灯』としての機能を進化させ、人間社会に溶け込もうとしています。その進化の様子を楽しんでいただけたら幸いです。」とコメントしている。
あかりのたわむれ
「あかりのたわむれ」を制作したのは、同大学大学院政策・メディア研究科1年の知念司泰さん。
知念さんは作品について、「地上に到達した発光生物達は、“人が動かせる外灯”として人間界に馴染もうとします。一般的な外灯は静的で夜間空間の用途を限定しますが、発光生物たちは用途や状況に応じて自由に動かせることで周囲の新たな魅力や、居場所を発見する相棒となります。彼らとともに暗闇のウォーターズ竹芝の新しい魅力を発見していただければ幸いです。」と説明している。
オリアソビ
「オリアソビ」を制作した同大学環境情報学部4年の岡部紅有さんは、「江戸時代から人々に親しまれてきた折り紙を、柔らかいプラスチックを用いて3Dプリントすることによって、遊具を制作しました。ヨシムラ折りやソガメ折りという規則的なパターンを用いており、上から力を加えるとそれぞれ違う動きをしながら折りたたまれていきます。大きくなった折り紙と実際に触れて楽しんでいただけると幸いです。」とメッセージを寄せている。
また、展示されるオブジェをもとに、未来の「庭」がどのような場所であるべきか、「ありうべき可能性」を広く議論するために、ハッシュタグを用いた情報発信や意見交換も行う予定だという。
浜離宮恩賜庭園を臨むウォーターズ竹芝で、令和時代の学生が始める新しい庭づくりを体験してみては。
■『みらい作庭記2023』概要
開催期間:11月3日(金)・4日(土)
開催時間:17:00〜20:00
会場:東京都港区海岸1-10-30 ウォーターズ竹芝プラザ(芝生広場)
料金:入場無料
ハッシュタグ:#みらい作庭記
URL:https://waters-takeshiba.jp/news/event/20231026084717/
※やむを得ず展示内容や開催日時などを中止・変更する場合がある。
※雨天の場合は一部作品の展示を中止する。
(オガワユウコ)