日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、栃木県旧藤原町(日光市)を写真とともに紹介する。
Vol.110/栃木県旧藤原町(日光市)
旧藤原町といえば、なんといっても鬼怒川温泉である。日光街道の分岐点である今市から北に向かって進むと鬼怒川に差し掛かり、さらに上流に進んでいけば温泉街が現れる形だ。今まで世界遺産の日光東照宮方面に訪れたことはあったけれど、鬼怒川温泉街は初めてだった。
バイクを停めて、鬼怒楯大吊橋に立ち寄ってみる。川を挟んで大きな渓谷が広がっていて、大迫力であった。まもなく周辺には大きなホテルが並び、温泉街としての規模感に驚かされた。
温泉街も散策した。テレビで見ることのある有名なホテルも、どんと聳えていた。外観ですら迫力ある景色なのだから、館内はさらにすごいのかなあ、などと想像する。
西日本で育ったので、日帰り温泉ですら、鬼怒川温泉に行くという発想は今までなかった。ただ、実際に訪れてみて、景色も含めた雰囲気を味わうと、関東近郊の人たちが、好んで鬼怒川温泉まで訪れる理由がわかったような気がする。自然の景勝地と、人間の手で作り上げた温泉街が共存した場所である。すぐに帰ってしまうのがもったいなくて、いつかどこかに泊まってみたいなあという気持ちが湧き上がったのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/