和歌山県を拠点にバス・タクシー・旅行サービス事業を展開するユタカ交通は、和歌山新城下町DMCと、メタバース和歌山実行委員会を立ち上げ、メタバース上で仮想体験型の観光コンテンツを提供する観光DX事業「METAVERSE WAKAYAMA(以下、メタバース和歌山)」を始動する。
第1弾として、12月21日(木)、ユーザー数5億人を超える人気オンラインゲーム「Fortnite(フォートナイト)」上に「和歌山城」のマップを公開した。
「メタバース和歌山実行委員会」立ち上げの背景
全国的に地方のバス・タクシーの運転手が不足し、地域住民や観光客の移動手段に影響が出ている。近畿運輸局によると、和歌山県の法人タクシーの運転者数は直近の10年間で約40%減少した。
ユタカ交通でも、新型コロナウイルスの感染拡大をきっかけに高齢のタクシードライバーの離職が相次ぎ、人材不足に陥った。
また、「令和4年観光動態調査」によるとコロナ禍の観光需要の大幅に減少。観光バスの売上が8割減となり、令和4年度と令和元年度を比較すると月次売上が7ヶ月連続で30%以上減少した。
これらの経験からユタカ交通は、会社の存続や雇用を守るためにはバス・タクシー事業以外の総合的な観光事業の柱が必要と考え、事業の強化を模索。その中で注目したのが、全国的に地方創生に活用されているメタバースだ。
既存事業で培ってきた様々な業種業態の事業者とのネットワークを生かせることから、和歌山城を中心にした観光誘客などに取り組む和歌山新城下町DMCと共に「メタバース和歌山実行委員会」を立ち上げた。
同事業の総投資額は約1億円で、一部、経済産業省の事業再構築補助金を充てている。
「Fortnite」上に「和歌山城」のマップ公開
「メタバース和歌山」では、「Fortnite」上に、「和歌山城」を再現したマップ「和歌山城 BATTLE」を公開。和歌山市の企画整備課協力の元、再建時の図面を参考に天守閣の外観・内観や特徴的な石垣、天守閣へのアプローチを細部まで再現している。
ユーザーはオリジナルアイテムを収集しながら、このバトルロイヤルゲームを楽しむことができる。
また、2024年1月には「和歌山駅前」、市内の繁華街「アロチ」をモデルとしたマップも公開予定だ。
「メタバース和歌山」の今後の展開
「メタバース和歌山」は今後、地元企業と連携しながら、和歌山県を舞台にしたeスポーツ大会の実施や、特産品を購入できるECショップ、8K360度動画によるVR観光ツアー等、VR・メタバースを活用した地域レジャーを展開し、和歌山城下町の事業者で30億円の新規経済市場を目指す。
2024年1~3月にかけては、吉本芸人・小籔千豊さん主催のオンラインeスポーツ大会との連動企画や、南海電鉄と大阪・和歌山でオフラインのeスポーツ大会を実施予定だ。
また、メタバース和歌山実行委員会 委員長でユタカ交通の代表取締役社長 豊田英三氏は、「青少年をメタバースクリエイターとして育成する教育システムも構築し、WEBを通じての県外人材に働いて頂く場合、それがIターンUターンに繋がるような活動にしていきたいと考えています(一部抜粋)」と話している。
メタバース上で和歌山の魅力を発信する「メタバース和歌山」の今後に注目したい。
■「メタバース和歌山」
公式サイト:https://mvwakayama.jp/
■フォートナイト「和歌山城 BATTLE」
マップコード:8343-1088-9153
マップURL:https://www.fortnite.com/@mvwakayama/8343-1088-9153
トレーラームービー:https://youtu.be/DDjNgittbs0
(Higuchi)