日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧松尾町(山武市)を写真とともに紹介する。
Vol.156/千葉県旧松尾町(山武市)
旧蓮沼村から北へ進んで、旧松尾町へやってきた。旧蓮沼村では海が近いと感じられた風景だったが、旧松尾町では緑を多く感じられた。市街地でも森林が多いわけではないが、線路や住宅街、水田の周辺に広がる緑が、まちの落ち着いた雰囲気を作り出しているようだ。
そして、松尾駅周辺を訪れると、朝の通学風景と遭遇した。駅に向かって学生が向かっていて、何の変哲もない日常ではあるものの心が温まる。どんな土地であっても、そこに家族がいて、友人がいて、誰かと誰かが過ごしているのだと思うと、声が聞こえてくる。ちょうど、電車も踏切を通過していったが、車内にも学生が多く乗っていた。
次に、金刀比羅神社へ向かって東へ進んでいった。ほとんど横芝光町との境界線まで進み、国道126号線を左に折れた先にある神社だった。讃岐国の金刀比羅大神を奉勧・遷所したものだと伝えられているそうだが、「こんぴら」の名前がここにも届いているのだなあと驚きを感じる。
緑に包まれた落ち着いた境内で参拝したあと、朱色と金色で鮮やかに装飾された神輿が飾られているのも見つけた。温かい雰囲気を感じた神社だったし、地元に良い神社があることは、とてもいいなあと思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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