日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、千葉県旧飯岡町(旭市)を写真とともに紹介する。
Vol.161/千葉県旧飯岡町(旭市)
旭市街地から東へ7kmほど進んだ先に、旧飯岡町がある。今回はいいおかみなと公園と、刑部岬へ向かった。旧飯岡町の西部は九十九里の平野部が広がっているものの、いいおかみなと公園までやってくると、すぐ東に刑部岬が小高く聳えていた。
いいおかみなと公園は太平洋が目の前に広がっており、さらにちばてつやさんが育ったまちとして、「あしたのジョー」の主人公である矢吹丈の銅像が建っていた。
ちなみに、第5集まで刊行されているちばてつやさんの作品「ひねもすのたり日記」がぼくはとても好きだ。ちばさんの人柄やユーモアが作品には滲み出ていて、なおかつ作品を生み出すことのほんとうの大変さもヒリヒリと感じられる。それに、弟のちばあきおさんが描いた「キャプテン」と「プレイボール」は、小学生の頃にマンガが破れるほど読んだのだった。こうした作品は、ぼくの人格形成に多少なりとも影響しているような気がしている。
また、いいおか公園には「旭市飯岡津波被災の碑」が設置されていた。東日本大震災でこの地にも2.1mの津波が襲来し、13人が命を落とした(行方不明者は2人)のだと。ぼくはそのことを知らなかった。
そして、最後に刑部岬から九十九里の平野と海を眺めた。ここにやってくるまで、房総半島の南から徐々に北上してきたが、九十九里の地域においてようやく現れた岬だった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247/