観光分野のDXを推進するアクティバリューズは、自治体が所有する観光情報データをシステム連携によって、旅ナカ専用アプリで宿泊施設に無償提供する仕組みを構築し、提供を開始した。
同社は、長崎市DMOの長崎国際観光コンベンション協会(以下、DMO NAGASAKI)と共に、長崎市への訪問客の観光体験向上と地域経済の活性化を目指し、長崎市公式観光サイト“travel nagasaki(トラベル・ナガサキ)”の観光情報を、長崎市内の宿泊施設に無償で提供する取組み「VERY travel Nagasaki(ベリー・トラベル・ナガサキ)プロジェクト」を開始。
2月8日(木)より、第1弾の運用を開始している。
観光情報データ連携の背景
宿泊施設は、これまで自施設周辺の観光情報について、自社サイトやデジタル端末、手作りマップなど様々な手段を活用し、宿泊客の滞在時間をより充実させる努力を続けてきた。
しかし、コロナ禍を経て、主に人員不足を原因として、営業時間や料金などの更新遅れによる需要喚起の不足、観光客が期待する旬なイベント情報の欠如など、必要とされる情報発信が十分にできないといった課題が顕在化してきたのだそう。
こうした情報提供のメンテナンス上の課題に立ち向かって、アクティバリューズが新たな解決策を見出した。
「VERY travel Nagasakiプロジェクト」の概要
「VERY travel Nagasakiプロジェクト」では、アクティバリューズが提供する観光特化の顧客体験プラットフォーム「talkappi(トーカッピ)」と、長崎市公式観光サイト“travel nagasaki”のCMSをAPI連携し、talkappiのサービスの1つである旅ナカ専用アプリ「VERY(ベリー)」で、観光情報データを長崎市内の宿泊施設に提供。
宿泊客は、客室や館内に設置されるQRコードを読み込むことによりスマートフォンを用いて、旬な情報を取得できる。また、それぞれの情報は多言語表示も可能だ。
この仕組みでは、DMO NAGASAKIが“travel nagasaki”の運営を担当、アクティバリューズが宿泊施設に旅ナカ専用アプリ「VERY」を無償提供し、情報発信と自動翻訳による多言語対応を行っている。
宿泊施設6軒で第1弾運用開始
同プロジェクト第1弾として、ホテルニュー長崎、ホテルコンチェルト長崎、MEZAME HOSTELなど、準備中を含む長崎市内の宿泊施設6軒にて運用を開始。
各宿泊施設に「VERY」の以下の7つの機能を無償で提供している。
各機能は、Wi-Fi・売店・大浴場・レストランなどの施設情報が見られる「宿泊のご利用案内」、観光スポット・長崎グルメなどを紹介する「地域観光情報」、日・英・中簡/繁・韓の「多言語対応(自動翻訳)」、訪日外国人向けの日本旅行の常識・マナー「travel tips」のほか、「順番待ち受付」「混雑状況表示」、開発中の「アクティビティ予約」だ。
なお「VERY」は、上記7つの機能以外、チャットやリクエスト受付、満足度アンケート、デジタルクーポンの発行、旅ナカの交通や体験など、便利な機能も備えている。
期待される効果
この仕組みにより、長崎市内の宿泊施設は、周辺観光情報の作成と更新が不要になり、無償で宿泊客に質の高い最新観光情報を提供できる。また、「VERY」の多言語対応により、外国人観光客との円滑なコミュニケーションも可能だ。
宿泊施設でのタッチポイントが増えるため、長崎市は、追加作業や費用をかけずにより多くのユーザーに観光情報を届けられる。長崎市に訪れる観光客は、新たな観光スポットやイベント情報を簡単に入手でき、滞在時間をより充実したものにできるだろう。
同プロジェクトは、3月中に第2弾の運用も開始予定!今後の取り組みにも注目だ。
(Higuchi)