小田急電鉄とKlook Travel Technologyは、2月27日(火)に基本合意書を締結し、体験・交通等のデジタルチケット販売の分野でスマートな顧客体験の実現に向け、両社のサービス連携を実現するための検討や技術開発等を協力して推進することを発表した。
旅行時間をチケット引き換えに費やす課題
小田急電鉄は、5カ国語に対応している電子チケットサービス「EMot オンラインチケット」、アプリ「EMot」を運営しており、箱根や江の島・鎌倉などの沿線観光地のほか、浜松や秩父など全8エリア、34種の周遊デジタルチケットを販売している。
Klook Travel Technology が運営する「Klook」は月間訪問者数6,000万人、世界180カ国以上にユーザーを抱える旅行・レジャー予約プラットフォームであり、観光施設チケットやツアー、公共交通、宿泊の手配サービスを行っている。
現在「Klook」では訪日外国人旅行者向けに数多くの国内鉄道会社の「企画乗車券等」を販売しているが、その多くは、来日後に指定の窓口にて引き換えが必要な「バウチャー」タイプの商品だ。また、コロナ禍の収束により引き換え窓口は混雑傾向にあるため、利用者の貴重な旅行時間をチケット引き換えに費やすことにつながっており、このことを課題として捉えている。
滞在時間を最大限楽しめる環境を整備
今回の連携により「スマートな顧客体験」として、訪日外国人旅行者が「Klook」で購入した「企画乗車券等」を、実券に引き換えることなく「EMot オンラインチケット」上のデジタルチケットとして利用可能にすることを目指す。
これにより、旅行時間をチケット引き換えに費やしてしまうという課題を解消し、日本での旅行時間を、最大限楽しめる環境を整備していく。また、事業者側の「チケット引き渡し」に関するオペレーションの省力化も実現されるため、将来にわたり安定的な観光サービスの供給にも寄与するだろう。
連携サービスの提供時期や対象チケットの詳細については、決定次第告知するそう。
インバウンド旅行者の利便性向上に向け、業務連携することを発表した小田急電鉄とKlook Travel Technologyの取り組みを、この機会にチェックしてみては。
(江崎貴子)