日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧総和町(古河市)を写真とともに紹介する。
Vol.180/茨城県旧総和町(古河市)
次にやってきたのは、古河市の旧総和町だ。まずは古河市役所の総和庁舎に向かってみる。本丸の古河市役所からは、6kmほどしか離れていない。大きな山を越えることもなく、まちはまち同士で自然につながっているように感じられる。やはり、利根川という存在も大きいのだろうか。関東平野らしい景色なのかもしれないと思いつつ、旧総和町へ入った。
まちなみも穏やかで、畑や茶畑も広がっていた。たっぷり朝の日差しを浴びて気持ち良さそうである。その後、「ネーブルパーク」と呼ばれる公園へ行ってみた。
ネーブルパークに近づくと高い木が目立ちはじめ、緑が深く濃く感じられる。遊具で遊んでいる小さな子どももいたし、お年寄りがのんびりと散歩もしていて、憩いの場になっているのだろうと。
そして、公園の近くの高い木から、鳥の鳴き声がたくさん聞こえてくる。よく出会うのは鳩かカラスだけれど、そうじゃない。よく見ると、サギたちが何羽も集まっているのであった。さらに観察すると、たまたま集まっているのではなく、高い木の上に巣がいくつもあって、どうやらサギたちの家のようなのであった。
サギの巣に出会うことは初めてだった。ガサガサと近くの木同士を飛び回るサギのクチバシには、細い枝が咥えられていた。そうか。ここにも彼らの暮らしがあるのだなあと。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247