福井県の伝統工芸品を現代のライフスタイルに合わせてアップデートするプロジェクト「F-TRAD」の一環で、福井県内の伝統工芸職人と福井県外を拠点とするデザイナーの協働により、新たに14アイテムが誕生した。3月12日(火)から特設サイトにて発売しており、3月13日(水)~29日(金)に東京・ふくい南青山291で開催される展示販売会「New Arrival Fukui」にも出展している。
現代の暮らしに寄り添う工芸品を開発
「F-TRAD」は、福井県の伝統工芸産地が誇る技術を活かしながら、現代の生活に調和するアイテムの魅力を全国に発信するプロジェクト。福井県が主体となり、今回で2期目となる。コンセプトに沿う商品開発「F-TRAD MADE」と、コンセプトを体現する商品のセレクト・販売をする「F-TRAD FOUND」の2つの企画を展開している。
今回は「F-TRAD MADE」で“現代の人々の生活に寄り添う商品”を目指して8チームが開発に取り組み、“それぞれの工芸が見据える未来”を感じさせるものに仕上げている。
越前和紙を使用した新しいアイテム
廃棄野菜・果物を漉き込んだ「Food Paper」シリーズの新製品として誕生した、越前和紙 五十嵐匡美(五十嵐製紙)× 佐藤界(FULLSWING)「Food Paper 野菜や果物からできたくず入れ」には、ごみを捨てる際の気付きや、ごみの行方を考えるきっかけになればとの思いが込められている。「トレイ」もある。
越前和紙 山岸保喜・松浦絵理奈(山岸和紙店)×いしやま なおみ・今井 里紗・土田 智憲(roomA)「JIQUU(ジクウ)」は、和紙が掛軸の裏打として作品の引き立て役になるのではなく、主役となる掛軸だ。
越前和紙 滝道生(TAKIPAPER)× 國影志穂「CHIGIPE(チギペ)」は、ちぎってもそのまま飾っても使えるポスター。イラストには、福井らしい風景の中に恐竜たちがさりげなく溶け込んでいる。
越前和紙 長田泉(長田製紙所)× 中井詩乃(chicai)「FRAME」は、越前和紙でできた貼り箱のフレーム。壁にかけて和紙そのものの質感を眺めたり、付属のマグネットで気に入った写真などを飾ったりと、日々の暮らしを彩る。
包丁、焼物、漆器も登場
越前打刃物 戸谷祐次(Sharpening four)× 江口海里(KAIRI EGUCHI STUDIO)「巴刃」は、ニュースタンダードなミニ包丁。果物を切ったり皮をむいたりするのに適したペティナイフと、肉や野菜を安定して切る小三徳包丁の機能を併せ持つ。
越前焼 吉田雄貴(豊彩窯)× 鈴木康洋・光井花「HARIMON MUG、HARIMON MIRROR」は、ぽってりとした模様が愛らしいマグカップと手鏡。越前焼の貼文甕(ちょうもんがめ)にインスピレーションを受け、その技法を再現した商品で、1点ずつ手作りした粘土の模様を貼りつけて焼き上げている。
越前漆器 関坂達弘(セキサカ)× 鈴木元(GEN SUZUKI STUDIO)「BOX」は、雑多なものを美しく見せる多目的ボックス。上から見ると平行四辺形の形状は、目に留まりながらも主張しすぎない絶妙なバランスだ。
越前漆器 服部寿彦(松屋漆器店)× 舩越勇毅(trema)「トレー、重箱、弁当箱」は、老舗漆器店の人気商品をアップデートしたもの。重箱や弁当箱、トレーの上縁のみにカラーリングを施すことで、モダンで華やかな印象に生まれ変わった。
展示発表会とトークで未来を展望
現在、福井県内で2023年度に酒・食・工芸を中心に開発された35プロジェクトの展示販売会「New Arrival Fukui」において、「F-TRAD」の新アイテムを披露している。その一環で、「F-TRAD」に取り組んだ2チームと、「F-TRAD」全体のディレクションやコーディネートを担当するTSUGI代表の新山直広氏によるトークイベントも、3月23日(土)16:00~18:30に行われる。
また、「F-TRAD FOUND」では、五十嵐製紙の「Food Paper」からメッセージカードや小物入れなど4アイテムを新たにセレクトし、特設ECサイトで販売中だ。こちらもあわせてチェックしてみて。
■New Arrival Fukui
日時:3月13日(水)~29日(金)
会場:ふくい南青山291
住所:東京都港区南青山5丁目4-41 グラッセリア青山
URL:https://fukui291.jp/minamiaoyama/
F-TRAD特設ECサイト:https://f-trad.com
(山本えり)