日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、茨城県旧茎崎町(つくば市)を写真とともに紹介する。
Vol.195/茨城県旧茎崎町(つくば市)
現在はつくば市だが、つくば市の南には旧茎崎町という小さな町があった。2002年に編入合併が行われるまで、存在していたまちだ。市街地のすぐ西には谷田川が流れ、牛久沼に注いでいる。
まずは「高崎自然の森」へ向かってみた。途中、昔ながらの住宅が広がっていて、少しだけ歩いてみる。とても静かで、地元の方に出会うと緊張しそうなぐらいだが、流れている時間には土地に染み込んだ懐かしいものがあった。
その後、高崎自然の森を歩くと、想像以上に本格的な森であった。場所によっては竹林が広がり、森の中で景色が変わるのも面白い。芝の広場もあって、散策もよし、休憩もよし、といった感じだ。
その後、つくば市立茎崎交流センターと、その周辺を散策した。大きな山林は見当たらず、建物の奥には電線と空が広がっているだけ。広々とした空間の中に、住宅地が点在している。
そして、今回訪れてはいないものの、すぐ近くにはもっと規模の大きな茎崎の住宅団地もある。茎崎というまちで、自分の知らない暮らしもまだまだ広がっているわけだ。団地にはたくさんの人生が集まっている。それは当たり前のようで、ものすごい確率で出会った巡り合わせであり、そうした巡り合わせの不思議さが、団地という土地には、凝縮されているように思う。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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