山口県の下松市制施行85周年・下松市観光協会創立50周年を迎える今年、道路を走る鉄道車両見学プロジェクト実行委員会主催により5年ぶりに「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」が4月27日(土)に開催される。
道路を走る鉄道車両見学プロジェクトが5年ぶりの開催
「道路を走る鉄道車両見学プロジェクト」では、通常は交通量の少ない深夜に行う鉄道車両の陸上輸送を日中に見学イベントとして開催する。
「ものづくりのまち くだまつ」を全国に発信するとともに、将来を担う子どもたちやものづくりに関わりたいと思う若者に夢と希望を与えるプロジェクトだ。
これまで過去2回、2017年3月と2019年7月にイギリス向け高速鉄道車両「Class800シリーズ」の陸送見学イベントを開催し、2019年のイベントでは、市民や鉄道ファンら約3万5,000人が集まり見学した。
陸送するのは台湾向け都市間特急車両「EMU3000」
今回陸送する都市間特急車両「EMU3000」は、台湾全土を走行する都市間特急列車として、国営台湾鉄路(Taiwan Railway Corporation, Ltd.)向けに、車両600両(12両×50編成)を2019年1月に受注した。
2021年7月に笠戸事業所から出荷を開始し、台湾でのテスト走行などを重ね、2021年12月に第1編成の営業運転が開始されている。
「EMU3000」の車両デザインは、世界でも特に厳しいといわれる欧州規格をベースとするルールに基づいており、日立製作所が英国鉄道で培ったデザインの知見が生かされている。
その結果、2021年度グッドデザイン賞における「グッドデザイン・ベスト100」やドイツの「iF DESIGN AWARD 2022」など、数々の権威あるデザイン賞を受賞している。
陸送ルート・交通規制・周辺地図について
陸送は、日立製作所笠戸事業所正門を出発し、県道366号徳山下松線を周南市方面に進む。下松駅前交差点を右折し、イベント観覧のメイン会場となる下松駅南口のロータリーで折り返す。往復約3.3キロを陸送する。
イベントの開催に伴い通行止め、一部交通規制を行う。現地の警察官・警備員・スタッフの指示に従い安全に見学しよう。また会場周辺は渋滞の恐れがあるので、他ルートへの迂回に協力しよう。
9時30分にスタートセレモニー・テープカット(日立製作所笠戸事業所)、10時から陸送スタート。10時30分から折り返し地点到着後セレモニーと陸送復路スタート、そして11時30分に陸送到着のスケジュールだ。
ゲームや体験・実験を楽しめる企業フェアも開催
下松のものづくり企業10社がくだまつスポーツセンターに集まり、ゲームや体験・実験などを通して「下松のものづくり」の魅力と素晴らしさが体感できる「ものづくり企業フェア」も開催する。
キッチンカーやふわふわドームなどが楽しめるイベント広場も用意。市民交流センターきらぼし館では、市内事業者のタペストリーやパネル、製品を展示する。
また日立製作所笠戸事業所内にある歴史記念館が、陸送見学イベント終了後13時から一般開放される。車両製造に関わる映像や車両模型などを交えて創業からの歴史が学べるほか、500系新幹線の車両も展示されている。開催時間13時~16時で、入場は15時まで。
「EMU3000」の陸送を見たい人は、見学イベントをチェックしてみて。
URL:https://kudamatsu-kanko.jp/tetsudou-project
(佐藤 ひより)