日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧滝根町(田村市)を写真とともに紹介する。
Vol.269/福島県旧滝根町(田村市)
旧常葉町から南へ進み、旧滝根町にやってきた。そして、滝根には二つの鍾乳洞がある。ひとつは「あぶくま洞」。聞いたことがある人も多いかもしれない。そして、もうひとつが「入水鍾乳洞」。後者はケイビングのように、ダイナミックな探検ができる鍾乳洞だ。
どちらかに行こうと思って、入水鍾乳洞に向かってみることにした。入水鍾乳洞はコースが複数ある。端的に言えば、ずぶ濡れにならないコースと、ずぶ濡れになるコースだ。
当然ながら、入水鍾乳洞の魅力は「ずぶ濡れになること」にあるわけだけれど、ぼくは服装が着替えに対応できないので、濡れないシンプルなコースを選んだ。
非常に狭い鍾乳洞で、あちこちと体や頭をぶつけてしまうし、さらには結構登る。まさに冒険型の鍾乳洞だ。そして、Aコースの終点と書かれたところで、Uターン。Bコースに行くと、ずぶ濡れになるという。いつかはリベンジしたいものだ。とてもスリリングな鍾乳洞だった。
鍾乳洞を訪れたあと、滝根行政局も近い神俣駅を訪れた。一見、神保町の「神保」と読んでしまいたいけれど、正しくは「神俣(かんまた)」だ。すっかりまちがえて読んでしまった。住所表記が手書きで書かれているのは初めてみた。すごく面白い。穏やかな昔ながらの町並みが広がっていた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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