日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧霊山町(伊達市)を写真とともに紹介する。
Vol.280/福島県旧霊山町(伊達市)
次にやってきた旧霊山町は、名前の通り「名峰・霊山(りょうぜん)」が有名だ。霊山は旧霊山町と相馬市にまたがり、国の史跡や名勝に指定されている。屏風のような奇岩が知られているとのことで、写真を見ただけではあるが、確かに険しい奇岩が聳え立っていた。今回、山には登らずに、市街地と霊山神社へ訪れたのだった。
霊山の市街地は落ち着いた暮らしの雰囲気だ。これまで続いてきた生活が、大きく姿を変えずに残っている。猫とも出会ったのでご挨拶をして。
そして、霊山神社へと移動していく。最後に現れた坂がとんでもなく急で、スーパーカブのギアを1にして、ギュインギュインと登っていった先に駐車場があった。
また、駐車場に軽トラが何台も停まっていて、何かやっているのかなあと思ったら、地元であろう方々が集まっていて、みんなで茅の輪をつくっていたのだった。茅の輪をくぐったことはあっても、つくっているところを見るのは初めてだ。みなさん慣れた手つきで、というのは簡単だけれど、ほんとうに慣れた手つきで茅を巻き上げ、括り、ハサミで切り、などとみるみるうちに出来上がっていた。
地元の方々によって、大切にされていることがある。いつか霊山も登ってみたいなと、神社を参拝してさらに気持ちがおおきくなった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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