日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、福島県旧伊達町(伊達市)を写真とともに紹介する。
Vol.283/福島県旧伊達町(伊達市)
次にやってきたのは旧伊達町。地名を見ると、広く伊達市を背負っている感じもするけれど、実は面積そのものは、合併した5町の中で最も小さい。
けれど、「伊達」という地名は印象が強い。高校野球好きとして、名門・聖光学院があるから。聖光学院のユニホームはブルーが印象深いけれど、それに加えて、左肩に刺繍された「伊達市」の文字が目に焼き付いていた。「聖光学院は、伊達市にあるんだよなあ」と。
それはさておき、伊達駅周辺は下校する生徒たちがたくさんいた。駅舎は屋敷のような和風の建築でとてもかっこいい。やはり、伊達氏とのつながりも深い土地なのかなあとあらためて思う。
また、伊達駅には停車しないものの、東北新幹線も在来線とほぼ同じ場所を通過している。伊達駅と福島駅は9kmほどで、在来線なら10分で到着する距離関係だ。だから、旧伊達町が県庁所在地の福島市からかなり近いことも感じられた。
やや小高い場所からまちなみを眺めると、新しい住宅も建っており、戸建ての方が多い印象だ。奥にはジグザグに重なり合う阿武隈高地の山並みも見えるが、この地域は平坦なので、ベッドタウンが広がることも頷ける。
旧伊達町は伊達市の旧市町村の中で最後に訪れたまちだったが、地域ごとに雰囲気が異なることをよく感じた訪問だった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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