日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、宮城県旧雄勝町(石巻市)を写真とともに紹介する。
Vol.322/宮城県旧雄勝町(石巻市)
牡鹿半島から次にやって来たのは旧雄勝町だ。「おがつ」と読む。牡鹿半島から、ここまで50kmかかった。途中で通過した女川町は、市町村合併をしておらず、石巻市に囲まれた形になっている。その女川町を北に進み、ようやく辿り着いた。雄勝が遠いというよりも、石巻市が広く、牡鹿半島が長細いという地形を感じたのだった。
雄勝はリアス式海岸の入江であり、海岸部を除いて平地は少ない土地だった。なので、漁業が盛んになることも自然な流れなのだと思う。海岸線の静かな空間には海鳥の大合唱が響き渡っていた。
散策途中、防潮堤に絵が描かれているのを見つけて、立ち寄ってみた。近づいてみると想像以上に大きくて、それはこの防潮堤そのものの大きさでもあることに気付かされる。
そして、道の駅「硯上の里 おがつ」へ。館内には獅子も飾られていて、お祭りに登場するのかなと。トイレの近くにはツバメたちも伸びやかに暮らしていた。また、食堂を見つけたので昼食も食べた。海そばを注文して900円。ゆでたまごみたいに大きなホタテも入っていて、海の幸を感じられて嬉しい。道の駅付近は、ナビの道とまるで違う道を走った。やはり、10年前の道と今の道は、もしかしたら全然違うのかもしれないということを考えた。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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