日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、岩手県旧新里村(宮古市)を写真とともに紹介する。
Vol.357/岩手県旧新里村(宮古市)
旧川井村から閉伊川沿いに東へ進み、刈屋川と合流するところまでやってくると、旧新里村の市街地が広がっていた。昭和30年に茂市、刈屋の両村が合併して新里村になり、2005年の合併で、宮古市になった。新里村だった期間は約50年間だ。この時間を長いと思うか短いと思うかは人それぞれだろうけれど、止まることのない時間の流れを感じる。そして、旧新里村も旧川井村と同じように、海には面していない。今までは宮古市に対して海のイメージ強かったけれど、宮古市は山や里にも囲まれているのなだあと、今回の散策で気づくことができた。
走行中には、りんごの形をしたバスの待合室を見つけて、思わずカブを停めた。フルーツの待合室といえば、長崎県の諫早が思い浮かぶけれど、まさかここにもあるとは。どうやら、りんご園さんも旧新里村にはあるようだ。また、谷が開けたところにはJR山田線も通っている。川沿いをつたうように線路が通っていて、カーブの多い路線だ。地方路線は岐路に立ってしまっていることも多い昨今だけれど、どうかがんばってほしいなあ。
また、夏の季節ということもあって、背の高いとうもろこし畑にも出会った。岩手県では比較的、とうもろこし畑に出会う機会が多いように思う。夏を感じるし、畑を見ていると、率直にとうもろこしが毎回食べたくなる。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
仁科勝介公式Twitter:https://twitter.com/katsuo247
仁科勝介公式Instagram:https://www.instagram.com/katsuo247