
北海道旧早来町(安平町)
日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、北海道旧早来町(安平町)を写真とともに紹介する。
Vol.432/北海道旧早来町(安平町)
朝からびゅうびゅうと風が吹き荒れる。けっこう寒い。8月下旬になって初めて服を着込んだ。東京や本土の気温を見て、最高気温が35度なんて、信じられない。そんなわけがない。と感じるのは、同時に2箇所の気温を感じられないからだけれど。
この日訪れるのは日胆地域だ。室蘭市や苫小牧市をはじめとする地域は「胆振(いぶり)」と呼ばれている。平取町付近からえりも町にかけて、日高山脈の南側に位置する地域は、「日高」だ。そして、それら二つの地域名を合わせると、「日胆」地域となる。
ふたつの地域をまたがってすすむのだから、案外距離がある。この日は300km走った。海岸線沿いだけではなく、日高山脈近くの山間部まで。今回の旅でなければ、知ることのできなかった地域とともに。
さて、というわけで最初にやって来たのは旧早来(はやきた)町だ。安平町役場も位置していて、まちの中心部だといえる。役場前だけではなくて、民家の玄関の先にも、馬の形をした花壇があった。安平町はサラブレッドの産地としても知られていて、地域全体からも馬が身近な存在であることが感じられた。

安平町役場

馬の形をした花壇だ。ほかにもあった

元気な看板。おじちゃんの心意気

まちの風景

早来駅にも

町役場のポスターがとてもよかった

おはようございますにゃー
市街地を歩いて早来駅に向かうと、安平町の職員募集のポスターが貼られていて、その写真もデザインもいいなあと思った。言葉には「進め、安平町。自分たちが町のエンジンだ」とあった。どんな土地でも、そこで自分たちが生きていくことに加えて、生きがいのようなエッセンスがあると、より前に進める気がするし、安平町はそうした未来へ向けて、すでに町が取り組んでいるのかもしれないなあと思ったのだった。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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