
2011年の東日本大震災をきっかけに、宮城県石巻市で生まれた家具ブランド・石巻工房は、3月11日(水)〜4月23日(木)の期間、東京・西麻布にあるKarimoku Commons Tokyoにて、展覧会「15 Years After 石巻工房の歩みと15の家具」を開催する。入場は無料だ。
東日本大震災から15年、石巻を起点に広がってきたものづくりの考え方を伝える。
15点のアイコニックな家具が登場
同展では、石巻工房の歩みのなかで特に重要な役割を果たしてきた15点のアイコニックな家具を選び、紹介する。それらは時間をかけて積み重ねられてきた思考や試行の痕跡であり、石巻工房の価値観を映し出す存在だ。
デザインは、芦沢啓治氏、安積朋子氏、Industrial Facility、Studio Adjective、Daniel Schofield、寺田尚樹氏、トラフ建築設計事務所、ドリルデザイン、Norm Architects、Philippe Malouin氏、藤森泰司氏、二俣公一氏が手がけた。
この展覧会は、単に製品を並べて見せる場ではない。石巻を起点に15年の間に広がってきたものづくりの考え方や人とのつながり、地域に向けた思いを、家具を通して感じてもらう場となる。
東日本大震災をきっかけに生まれた石巻工房

石巻工房は、震災直後に復旧・復興のために使える「地域のものづくりの場」としてスタートし、DIYの支援活動を行うほか、施設の復旧やバーなどの改修を実施し、再び立ち上がるまちの姿を皆で考えるための場づくりを行った。
初期の活動のハイライトには、屋外映画上映会のために地元の高校生と協働したベンチ製作や、アメリカのハーマンミラーによる被災地支援プログラムを通じた家具づくりワークショップでの協働などがある。
「手づくり」に日本国内外の実力あるデザイナーとデザインの力を加え、2014年に石巻工房ブランドを会社化した石巻工房は、石巻のスタッフとともに地域内外で販売するための魅力ある製品をラインナップしている。
2024年にはカリモク家具と業務提携し、カリモク家具で製作する「Maker Pack」と石巻で製作する「The Originals」の2つのシリーズを展開。石巻を起点にしながらも、「メイド イン ローカル」という名のもと、世界各地の環境や文脈に応じたものづくりやボランティアを行うネットワークの起点としても活動している。

震災から15年。石巻のまちは時間とともに姿を変え、石巻工房に関わる人は増え、石巻で始まったものづくりは、今では全国各地、そして地元のメーカーと協働する「Made in Local Project」を通して世界へと広がっている。
利用できる素材の特性や必要とされる構造をていねいに読み取り、使われる状況や人との関係を想像しながら、家具というかたちにしていく。石巻で培われたこの考え方は、さまざまな土地や人との関わりのなかで受け継がれ、それぞれの環境に応じたかたちへと展開してきた。
代表者プロフィール

石巻工房ファウンダーの芦沢啓治氏は、「正直なデザイン / Honest Design」をモットーに、クラフトを重視しながら建築、インテリア、家具、照明までトータルにデザイン。2005年より芦沢啓治建築設計事務所を主宰している。
国内外の建築やインテリアプロジェクトを手掛け、近年ではTRUNK(HOTEL) YOYOGI PARK、国内外のBLUE BOTTLE COFFEE、プロダクトにおいては石巻工房のほか、カリモク家具や KOKUYO など国内のメーカーやさまざまな海外のブランドで協働している。

千葉隆博氏は、宮城県生まれで、高校を卒業後、北海道の建築系専門学校へ進学。地元に戻り、家業のすし店ですし職人として働く。2011年の震災後から石巻工房の活動に携わり、DIYでの手先の器用さや地元の市民とのコミュニケーションを活かしてほしいと工房長を任された。
現在は「The Originals」シリーズを石巻の工房にて製作、また工房近くに開設した、新しい石巻を象徴する開かれた拠点「Ishinomaki Home Base」も運営している。
石巻工房の歩みと15の家具を見に行ってみては。
■15 Years After 石巻工房の歩みと15の家具
会期:3月11日(水)〜4月23日(木) 12:00~18:00
会場:Karimoku Commons Tokyo
住所:東京都港区西麻布2-22-5
入場料:無料
■石巻工房
HP:https://ishinomaki-lab.org
SHOP:https://kobo-shop.net
Instagram:https://www.instagram.com/ishinomakilab
(Higuchi)