ロシアによるウクライナ侵攻から4年を迎えます。公益財団法人パスウェイズ・ジャパン(所在地:東京都文京区、代表理事:折居徳正)は、これまでにウクライナから132名(同伴家族含む)の若者を、日本語学校や大学と連携して受け入れてきました。4年の年月を経て、日本語学校・大学を卒業し、就職して自立する卒業生も30名を超えました。母国での戦争が長期化する中、家族と離れて暮らしながらも、それぞれが日本で人生の次のステップを切り拓いています。こうした若者たちは、日本社会の担い手として、また将来的にはウクライナの復興を支える人材としても期待されています。パスウェイズ・ジャパンは今後も、教育機関、企業、支援団体の皆さまと連携し、避難民の若者が日本で未来を築けるよう取り組んでいきます。
ウクライナや周辺国から受け入れ、日本で自立に導く
パスウェイズ・ジャパンでは、ロシアによるウクライナ侵攻以降、ウクライナおよび周辺国から若者を受け入れ、日本での自立に向けた支援を続けてきました。
現在までに受け入れた若者の進路状況は、以下のとおりです。
この1年間で新たに 15名 が就職し、2026年4月入社予定者を含めると、就職者は累計35名 となります。
受け入れ人数(2026年2月現在):132名(同伴家族含む)
- 就職/フリーランス:31名
- 就活中(パートタイム就業中):12名
- 大学院(修士・博士):12名
- 大学:32名
- 大学非正規課程:3名
- 専門学校:4名
- 日本語学校在籍:14名
- その他(第3国に移住・本国帰国等):24名

2025年来日時の様子
一方で、戦争の終結が見通せない中、避難と教育・就労の機会を求めるニーズは依然として高い状況が続いています。
2026年度来日に向けては、122名 の応募がありました。その中には、大学等で日本語を学んだ経験を生かし、日本での進学や就職を目指す若者が多く含まれています。選考の結果、8名 が採用され、この春、日本で新たな一歩を踏み出します。
日本国内で高校教育を受け高等教育進学を目指す
日本に住んでいる難民・避難民の背景を持つ若者の高等教育を支援するプログラムには、中高校生の時に避難した若者の応募が増えてきています。 日本国際基督教大学財団と協力し、日本教育パスウェイズネットワーク(JEPN)の加盟大学で受け入れる「日本教育パスウェイズ」では、今年4月より新たにウクライナ学生3名の進学が実現しました。また「渡邉利三国際奨学金」でも、ウクライナ出身の奨学生が1名います。
日本での就活の課題を乗り越えるために
大学や日本語学校を卒業した後、多くの若者が直面する課題が、日本での就職活動です。日本では、新卒一括採用が行われ、入社の1年以上前から選考が行われるなど独特の採用慣行があり、ウクライナ出身者をはじめとする海外出身の若者は、日本の就活方法をしっかり学ぶことが必要です。
また、日本での就労には高いレベルの日本語のコミュニケーション力が求められます。母国では将来の目標を持ち、学業や仕事などさまざまな経験を積んできた若者であっても、日本語力が壁となり、キャリアの方向性を見直さざるを得ないケースも少なくありません。
加えて、業界や職種、企業に関する情報が十分に得られないことや、身近に相談できる家族、先輩、知人がいないことが重なり、具体的なキャリアを描くことが難しい場合もあります。
こうした状況を受け、パスウェイズ・ジャパンでは、就職を果たした卒業生が増えてきた状況を生かし、先輩が後輩を支える仕組みづくりを進めています。あわせて、企業と連携し、個々の強みや希望に応じた自己分析・業界分析を支援する「就活メンターシップ」や、企業と直接対話できる「合同説明会」などの取り組みを通じて、安定した就労につながるよう支援を行っています。

先輩が後輩にアドバイスする「就活説明会」
企業と難民・避難民の学生が面会する「就活セミナー」(企業合同説明会)
このような中、卒業生が日本の企業で活躍する事例も多く生まれてきています。難民・避難民の若者の就職に向けた取り組みとして、パートナー団体である特定非営利活動法人WELgeeと連携し、各団体や企業で積み重ねられてきた事例集を、「難民人材活躍プラットフォーム」の枠組みにて発信することとなりました。事例集は2月24日にウェブサイトにて公開予定です。
ウクライナ避難民の受け入れを契機に、日本では、教育機関、企業、財団、地方自治体などより多様な関係者が難民・避難民支援に関わるようになってきました。関係者間の連携が進むことで、難民・避難民が安心して暮らし、学び、働いて、日本社会の一員として歩む環境が少しずつ整ってきているかと思います。こうした取り組みは、難民・避難民に新たに人生を切り拓く機会となると同時に、受け入れ社会にも新たな価値や可能性を生むことに繋がります。
ロシアによるウクライナ侵攻から4年を迎え、多くの命や故郷、そして本来思い描いていた人生をあきらめざるを得なかったウクライナの人々に、改めて深く思いを寄せます。そしてパスウェイズ・ジャパンは、自分達にできることとして今後も日本で学び、働き、自立を目指す若者たちへの支援を積み重ねていく予定です。引き続き、皆さまのご理解とご支援をお願い申し上げます。
*パスウェイズ・ジャパンのウクライナ避難民に対する活動に関して、取材をご希望の方は、下記までご連絡ください。
本件に関するお問い合わせ
公益財団法人 パスウェイズ・ジャパン広報担当
Email: office@pathways-j.org
公益財団法人パスウェイズ・ジャパンについて
難民の背景を持つ若者の国外からの受け入れと高等教育を支援。2016年から継続する受入れ・自立支援事業では、現在までにシリア、アフガニスタン、ウクライナから205人を日本に受け入れ、日本語・高等教育を提供し、就職・自立へと導いています。卒業生のうち50名以上が就職(内定含む)。また渡邉利三国際奨学金により年間約20名に奨学金を供与。2021年一般財団法人設立、2024年公益財団法人として認定。
ウェブサイト:https://pathways-j.org/