公益財団法人 本田財団(設立者:本田宗一郎・弁二郎兄弟、理事長:石田寛人)は、2025年11月1日(土)・2日(日)にバングラデシュの非営利組織「グラミン・コミュニケーションズ」と共催で、バングラデシュ・ダッカのホテルにて、国際シンポジウム2025「International Symposium in Bangladesh 2025」を開催しました。

2019年にカンボジア・プノンペンで開催して以来、6年ぶりの開催となった今回の国際シンポジウムのテーマは、「Creating Sustainable Societies across Different Communities Through Eco-technology」(エコテクノロジーを通じ、様々なコミュニティを超えた持続可能な社会の構築)です。特に日本・バングラデシュ両国で社会課題となっている「医療」と「交通」をテーマに、両国の大学や企業、行政機関で活躍する専門家や、当財団がアジア各国の理工系学生へ授与している「Y-E-S奨励賞(Young Engineer and Scientist's Award)」の受賞者をはじめとしたアジアの若手研究者や学生、日本の若手研究者ら約200人が参加し、活発な議論が行われました。
シンポジウム初日の開会挨拶では、当財団の石田寛人理事長のご挨拶から始まり、在バングラデシュ日本大使館の高橋直樹公使も来賓としてスピーチされたほか、バングラデシュ暫定政権の首席顧問でグラミン銀行の創設者、2006年ノーベル平和賞受賞者でもあるムハマド・ユヌス氏からのビデオメッセージも上映されました。
【開催概要】
名称:国際シンポジウム2025「International Symposium in Bangladesh 2025」
主催:公益財団法人 本田財団
共催:グラミン・コミュニケーションズ
日時:2025年11月1日(土)・2日(日)
場所:パン パシフィック ショナルガオン ダッカ (107 Kazi Nazrul Islam Ave, Dhaka 1215, Bangladesh)

(左から)パネルディスカッションの様子、石田寛人理事長、高橋直樹公使、ムハマド・ユヌス氏
【主なセッションの内容】
■1日目(11月1日)
セッション1/パネルディスカッション1 テーマ:Healthcare(医療)
【登壇者】
野原 康伸(のはら・やすのぶ)氏 熊本大学大学院先端科学研究部(工学系)准教授
秋山 弘子(あきやま・ひろこ)氏 東京大学未来ビジョン研究センター客員教授/東京大学名誉教授/高齢社会総合研究機構客員教授
Mr. Sayedur Rahman(サイードゥル・ラーマン) バングラデシュ保健・家族福祉省 首席顧問特別補佐官
Dr. Nizam Ahmed(ニザム・アハメド) Gavi 市民社会組織(CSO)運営委員会 議長

(左から)野原康伸氏、秋山弘子氏、Mr. Sayedur Rahman、Dr. Nizam Ahmed
セッション2/パネルディスカッション2 テーマ:Transportation(交通)
【登壇者】
嶂南 達貴(やまなみ・たつき)氏 scheme verge株式会社 代表取締役CEO
神尾 寿(かみお・ひさし)氏 株式会社イマーゴ 代表取締役社長/iQLab共同代表
※当日は株式会社イマーゴの田代 魁斗氏が代読
Prof. Dr. Shamsul Hoque(シャムスル・フク) バングラデシュ工科大学土木工学科 教授
Dr. Mohammed Ziaul Haque(モハメッド・ジアウル・ハク) バングラデシュ道路交通橋梁省道路交通ハイウェイ局審議官

(左から)嶂南達貴氏、田代魁斗氏、Prof. Dr. Shamsul Hoque、Dr. Mohammed Ziaul Haque
■2日目(11月2日)
パネルディスカッション テーマ:Transportation(交通)/Healthcare(医療)
【登壇者】
Day1のスピーカー、Y-E-S奨励賞過去受賞者、日本からの若手研究者

【国際シンポジウムについて】
「国境を越えて世界の科学者が分け隔てなく肩を並べ、人間活動にまつわる諸問題について心置きなく話し合う場」として、1976年にDISCOVERIESと名付けた国際シンポジウムを開催したことが当財団設立のきっかけにもなりました。当初の開催地は欧米の先進国が中心で、本田宗一郎の没後は東南アジアを中心に、日本の先進技術を紹介しながら日本と相手国の社会課題解決を目指す内容となっています。
国際シンポジウムの詳細は下記URLをご参照ください。
https://www.hondafoundation.jp/symposium.html
【本田財団について】
本田財団は、本田技研工業株式会社の創業者本田宗一郎とその弟・弁二郎の寄附金によって、1977年12月に設立されました。当財団では、「自然環境」と「人間環境」の両方を大切にする技術を「エコテクノロジー」と呼び、その発展と拡大を目指して、3つの活動に取り組んでいます。
1.エコテクノロジーの概念に即して顕著な成果を達成した研究成果を表彰する国際褒賞「本田賞」
2.現代社会が抱える種々の問題について解決のアイデアを議論し創出する「国際シンポジウム・懇談会」
3.次世代を担う若い技術者・科学者リーダーを発掘育成する「Y-E-S プログラム」
これらの活動を通じて、「人間性あふれる文明の創造に寄与する」ことを目指しています。