業務の成功時も失敗時も「何もしてほしくない」部下の存在が明らかに
MENTAGRAPH株式会社(本社:東京都中央区、JT 100%連結子会社)は、20~65歳の全国のビジネスパーソン724人(管理職300名・非管理職424名)を対象に、1on1 MTGにおける「上司の現実」と「部下の理想」の差異を比較・分析しました。結果、頻度・所要時間・面談時のコミュニケーションの各場面で、運用のルールに大きなギャップが確認されました。

本調査は、部下の成長支援や不安・不満の解消を目的に導入が進む1on1 MTGについて、その実効性と運用上の課題を多面的に把握するために実施しました。上司と部下それぞれに各項目の理想と現実を尋ね、その中でも「上司の現実」と「部下の理想」にフォーカスして分析しました。
はじめに、1on1 MTGの頻度についての質問においては、部下の中で、「必要に応じて」を望む声が上司の現実と最もギャップがあることがわかりました。部下の理想では、「必要に応じて」が20%なのに対し、上司の現実では、6.3%と部下の理想が上司の現実を13.7ポイント上回りました。一方で、「週1回」「隔週」「月1回」などの、定例頻度は、いずれも部下の理想が上司の現実を下回り、定例的に実施するものではなく、課題が発生したときにスポットで実施したい志向が読み取れます。

さらに、1回あたりの理想の所要時間については、部下の理想が「15分未満」24.5%という結果に。一方で上司の現実では14.0%となり、10.5ポイントのギャップがありました。対して「15~30分未満」は、上司の現実53.3%に対し、部下の理想44.8%で8.5ポイント上司の現実が上回る結果となり、部下は全体として、短時間・高密度の面談設計を支持していることがわかりました。

1on1 MTGで良い成果について話題になったときの対応については、部下の理想では「次に進めるための設計」を上司の現実より強く望んでいることがわかりました。具体的には、「今後の期待値の確認」は部下の理想34.2%に対し、上司の現実は25.3%で8.9ポイント上回り、「次の目標挑戦の話し合い」は46.0%に対し39.3%で6.7ポイントのギャップがあるという結果になりました。一方で「特に何もしない」は部下の理想が21.5%に対し上司の現実が10.7%で部下の理想が10.8ポイント上回り、過度に盛り上げず“静かに次へ”を好む層も一定数存在することが示唆されます。

課題や失敗の場面では、共感で止めず“行動まで落とす”支援を求める傾向が明らかになりました。「今後の成長計画を立てる」は部下の理想が30.9%に対し上司の現実では18.0%となり12.9ポイントのギャップが見られました。「解決策を一緒に考える」は部下の理想51.7%に対し、上司の現実が41.3%という結果に。「具体的な改善点の指摘」は44.8%に対し34.7%でした。一方で、「まずは話を聞いて共感する」は45%前後でほぼ同水準、「特に何もしない」は18.2%に対し9.7%で8.5ポイントのギャップとなり、状況により“踏み込み過ぎない”選択を望む層も確認できます。
本調査では、1on1 MTGにおいて「上司の現実」と「部下の理想」のあいだに、頻度・所要時間・面談内の関わり方で一貫したギャップが存在することが明らかになりました。部下は“必要に応じて・短時間で・次の行動につながる”設計を望む一方、現場運用は“定例で・やや長めに・観察や傾聴に留まりがち”という型に寄っている実態が示されています。
1on1 MTGにおいては、上司と部下間で運用ルールについてすりあわせ、アップデートすることで、1on1 MTGが“流れ作業”から“前進を生む対話”へ転換し、現場の納得感とパフォーマンス向上につながります。
調査手法:インターネットによるアンケート調査
調査期間:2025年6月27日~7月3日
分析期間:2025年11月15日~12月15日
調査対象者:20~65歳のビジネスパーソン724人(管理職300人・非管理職424人)
MENTAGRAPH株式会社について
MENTAGRAPH株式会社は、働く人の心を可視化し、職場全体の適切な休憩取得を推進と、最適なマネジメントを支援する「Mental Batteryサービス」をBtoB向けに展開する企業です。日本たばこ産業(JT)のコーポレートR&D組織「D-LAB」から誕生し、「心の豊かさ」を軸にストレスや疲労の見える化を通じた“心のケア改革”を推進しています。
主力プロダクトは、装着型センサー「Mentoring」、アプリによる休憩レコメンド、ダッシュボードによる組織全体のストレス状態の管理などで構成される「Mental Battery」サービス、これにより、従業員の疲労やストレスをリアルタイムで数値化し、適切な休憩タイミングを可視化。管理職・人事は組織的なケアに活用可能です。
従来のストレスチェックでは補えなかった“継続的かつ高精度な計測”を実現し、従業員満足度・業務効率・チームパフォーマンスの向上へとつなげます。企業文化として「休憩を取ること」が自然となる社会の実現を目指しています。