~発症から自宅復帰まで、切れ目ない患者情報の把握と地域医療の質向上を目指して~

TXP Medical株式会社(代表取締役:園生 智弘)は、奈良県における脳卒中医療の質向上と地域連携の強化を目的とした、脳卒中患者フォローアップ用EDC(Electronic Data Capture)システム『N-STRAS』(Nara Stroke Tracking & Registry System)を開発しました。
本取り組みは、急性期・回復期・維持期の医療機関が奈良県脳卒中ネットワークとして連携し、脳卒中発症から自宅復帰に至るまでの患者情報を継続的に追跡・共有することを目的としています。奈良県脳卒中・心臓病等総合支援センター(奈良県立医科大学附属病院)および奈良県と連携し、県内統一の予後調査(フォローアップ)基盤として2026年3月より試験運用が開始されます。
■ 取り組みの背景
脳卒中医療では、発症直後の急性期治療のみならず、その後の回復期・維持期を含めた長期的なフォローアップが、患者のQOL向上や社会復帰において重要となります。一方で、施設間で取得される情報項目のばらつきや、患者転院後の経過把握の難しさが、地域全体での実態把握や課題抽出を困難にしてきました。
本EDCは、こうした課題に対し、「必要最小限かつ共通の項目」に絞ったデータ収集を行うことで、現場負担を抑えながらも、地域全体で活用可能なデータ基盤の構築を目指すものです。
■ EDCシステムの主な特徴
- 奈良県内で統一されたシンプルな予後調査項目によるデータ収集
- 患者の転院・退院などの動態情報を時系列で把握
- 発症から3か月後、6か月後のmRS(modified Rankin Scale)情報の取得
- 年1回の集計・分析を前提とした設計
■ 活用と今後の展開
収集されたデータは、奈良県脳卒中・心臓病等総合支援センターおよび奈良県により分析され、参加医療機関へのフィードバックや検討委員会での議論、学会等での成果報告に活用される予定です。また、各医療機関が自施設の取り組みを発信するための広報資料としての活用や、「奈良県脳卒中・心臓病その他の循環器病対策推進計画」 等における統計データとしての活用も想定されています。
本取り組みは、まず奈良県立医科大学附属病院近隣の中南和地域での試験運用を行い、その成果を踏まえ、将来的には奈良県全域での運用を目指します。複数の医療機関が役割分担を明確にし、あらかじめ診療内容を患者に提示・説明できる体制を整えることで、患者が安心して医療を受けられる地域医療の実現に貢献していきます。
■ 関係者コメント
【奈良県立医科大学附属病院 脳卒中センター、山田修一】
「急性期を乗り越えた脳卒中患者、すなわちstroke survivorのQOLの向上こそが脳卒中治療の真のゴールです。しかしこの目標は急性期病院、回復期病院、維持期病院が単独で達成できるものではなく、これらを連携させ、患者の流れとその予後を俯瞰できるシステムが必要です。この目標を達成させることのできる可能性を持つ本システムを、行政の協力とともに運用することで、全県レベルで質の高い脳卒中治療を提供できるものと考えています。」
【TXP Medical株式会社 代表取締役 園生 智弘】
「医療は発症の瞬間だけで完結するものではありません。患者さんが地域でどのように回復し、生活を取り戻していくのかまで見届ける仕組みが必要です。本取り組みを通じて、現場の負担を増やすことなく、患者さんに還元される医療データの活用モデルを行政・医療機関の皆さまと共に築いていきたいと考えています。」
【TXP MedicalのNEXT Stage EDCの特徴】
EDC(Electronic Data Capture)システムは、臨床試験におけるデータ記録や症例登録をオンライン上で行うシステムです。 TXP MedicalのEDCは、研究に精通した医師が構築をリードし、項目判別の容易さや入力支援機能、電子カルテの検査データをOCRで電子化する機能などを実装することで、臨床研究を成功に導きます。ユーザーフレンドリーな設計により、カスタム開発を迅速に実施でき、コスト・柔軟性・スピードのすべてにおいて優れています。
また、電子カルテ上で動作する急性期医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」とQRコード等を用いて一部項目を自動連携することも可能です。
2024年以降は生成AIを用いた自動登録機能を搭載し、症例集積の効率化にも寄与しています。
【EDC(Electronic Data Capture)とは】
担当医師・スタッフが得られた臨床データをPC端末等から電子的に入力するシステム。研究者や事務局がリアルタイムでデータを監視・確認できる仕組みを提供します。

【TXP Medical株式会社 会社概要】
TXP Medicalは「医療データで命を救う」をミッションに、現役の救急集中治療医が立ち上げた次世代の医療インフラを牽引するスタートアップ企業です。
基幹システムである「NEXT Stage ER」は全国の大病院84施設(大学病院・救命救急センターでのシェア約50%)で稼働し、救急隊向け「NSER mobile」は全国44地域・1,200万人以上をカバーしています。
代表取締役:園生 智弘(救急科専門医)
設立:2017年8月28日
所在地:東京都千代田区
URL:https://txpmedical.jp/
- 医療機関・自治体向け急性期医療データプラットフォーム「NEXT Stageシリーズ」の開発と提供
- 急性期医療AI技術の開発と提供、臨床研究支援事業
- 900項目の検査データ・バイタルデータ等を利用した急性期領域の唯一無二のリアルワールドデータサービス