国立科学博物館 筑波実験植物園(園長:樋口正信)では、2020年11月22日(日)~11月29日(日)までの期間に「つくば蘭展」を開催します。
世界有数の野生ラン保全施設である筑波実験植物園の「つくばコレクション」から、美しい花、珍しい花など、見ごろの200種類を公開します。さらに協力団体の方々が丹精込めて育てた、普段見ることのできない最新の園芸品種など約300種類を展示します。大温室のエキゾティックな雰囲気の中でお楽しみください。【つくば蘭展ウェブサイト:http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2020/11orchid/】

「つくば蘭展」開催概要
【開催会場】国立科学博物館 筑波実験植物園(茨城県つくば市天久保4-1-1)
【開催期間】2020年11月22日(日)~11月29日(日)※期間中の休園はなし。
【開園時間】9:00~16:30(入園は16:00まで)
【 入園料 】一般320円、高校生以下・65歳以上は無料、障害者手帳をお持ちの方及びその介護者1名無料
【 協 力 】つくば洋蘭会、らん友会龍ヶ崎、筑波大学つくば機能植物イノベーション研究センター、水戸市植物公園
【ウェブサイト】http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2020/11orchid/
※新型コロナウイルス感染拡大の状況によっては、入場の制限や、展示内容等が変更になる場合がございます。あらかじめご了承ください。最新の情報は筑波実験植物園のウェブサイト(http://www.tbg.kahaku.go.jp/)をご確認ください。

展示予定の世界の野生ラン
ブルボフィルム・バービゲルム Bulbophyllum barbigerum
熱帯アフリカ原産。空気のわずかな流れを使って、何かを誘うように花弁先端の毛が震えます。さらに空気が大きく動くと、毛のついた花弁全体が大きく動きます。花弁の先のふわふわの毛と、花弁の付け根の蝶番構造と、2つのかたちの進化で、ふしぎな動きを実現しています。ハエの仲間を誘い花粉を運んでもらうために進化した性質です。

デンドロビウム・ウィオラケウム Dendrobium violaceum
ニューギニア島の標高1000-2000メートルくらいの苔むした木の枝についています。ひとつの花が6ヶ月以上も咲く、世界でもっとも花もちの長い植物のひとつです。花弁の1枚は鳥の好きな鮮やかなオレンジ色で、鳥に花粉を運んでもらうのに役立っていると考えられます。

プテロスティルス・オフィオグロッサ Pterostylis ophioglossa
オーストラリア原産。サトイモ科のカラスビシャクのような、ランとは思えない不思議な花です。花から出る特殊な化学物質にだまされたキノコバエのオスは、花をメスと勘違いしてつかまり、交尾しようとします。その拍子にオスの体に花粉がつきます。カラスビシャクもキノコバエをだまして受粉に利用するので、両者の「他人のそら似」はキノコバエをだますという同じ理由だったことが分かります。
