「天神祭さんぽ~歩けばわかる浪花の今昔~」7 月25 日(月)15:32~16:29 テレビ大阪で放送
千年もの歴史を誇り、日本三大祭にも数えられる、大阪の夏の風物詩「天神祭」。
過去2年に続き、今年も花火や船渡御は中止、厳かに神事や陸渡御のみ執り行われます。
来年こそは通常通り賑やかな祭りが行われ、それを目一杯楽しみたい!
そこで、今年の天神祭特番は、知っていると祭りを10倍楽しめる天神祭の歴史を深掘り!
天神祭ゆかりの地をブラリと歩き、街に残された様々な痕跡に出会いながら、
天神祭の新たな魅力や歴史・文化などを再発見します。
知的好奇心を満たせる情報はもちろん、テレビ大阪で撮り溜めた過去のお祭り映像も活用し、
視聴者の皆さんに少しでも祭りの雰囲気や、夏を感じる瞬間をお届けします!

出演者
【ナビゲーター】
モーリー・ロバートソン
【進行】
豊崎由里絵
【解説】
高島幸次(大阪天満宮文化研究所研究員)
内容
大阪 夏の風物詩 「天神祭」
千年以上の歴史を持つこの祭は京都・祇園祭、東京・神田祭と並び日本三大祭りの一つに数えられています。
ではなぜ、天神祭は人々の心をつかみ、日本三大祭りと称されるまでになったのでしょうか?
天神祭ゆかりの地を散歩しながら、その理由を解き明かします。

本来なら例年多くの船が出て“船渡御”が行われる大川沿いの八軒家浜。
ここで「天神祭の生き字引」大阪天満宮文化研究所の高島幸次さんから船渡御について教わります。
江戸時代の人々はここに座って船渡御を見物したそうですが
なぜここが階段状になっているのか。それには水運の要所だったこの場所の歴史がありました。

天神橋筋商店街。ここにある天神祭の繁栄に欠かせなかったあるものとは?

中之島にはかつて多くの藩の蔵屋敷が。ここで天神祭を見た武士たちが果たしたある役割とは?

祭の始まりを告げる鉾流し神事の行われる場所・鉾流橋。
かつてはここから川を下っていた船渡御のコースが、川を上っていくようになった理由とは?

船渡御の最終目的地だった松島の御旅所。
船渡御が来なくなった今も毎年天神祭の日には行宮祭(あんぐうさい)という神事が行われているという。
川から離れたこの場所がかつて最終目的地だった理由とは?
出演者コメント

【モーリー・ロバートソン】
ここまでお祭りに深く接する、近づくのは初めてでした。ネットの情報で断片をずっと眺めてきたのが今までの多くの祭りでしたが、きょうは本当に、由来であるとかなぜ今の形になったのか聞くことができて、非常に具体的でした。手ごたえがありました。
大阪は昔から「ゴチャゴチャしてる」「猥雑」「パワフル」だとかいろんな形容詞があるわけですけど、そういうみなさんのエネルギーがお祭りを通じて毎年リニューアルされてきたんだなっていうか、それを繋いでいる糸のようなものを感じましたね。
もちろん社会や経済の構造には矛盾があり、極端な格差が生じることがあって、一律で幸せになれないにしろ、それほど不幸じゃない人ができるようになんとかセーフティネットを作ってきた。だけど歴史を通じて、疫病だと体が強い人しか生き残れないとか、そういう不条理な峻別があるわけじゃないですか。だから人間の尊厳が必ずしも守られない、そんな試練、苦しみ、災いに対してお祭りの力を使って生きる気力を回復したり、ほかの人と一緒に生活していることを確認しあう、とても強烈な行事だったんだなと。楽に眺めるものではなく、自分も大変ななかで当事者として一緒に動かすものを、1000年単位でみなさんが共有してきている。個々の記憶は忘却されるが、それでもなお、我々の共通の記憶のようなもの、メモリーとしてお祭りがあるんじゃないかと思いました。
言うまでもなく皆さん大切にされているお祭りだと思いますし、コロナでストレスがかかって賑わいが制限されてしまうんですけれども、おみこしをみんなが担ぐことでまた続きますので、よろしくお願いします!

【豊崎由里絵】
とにかくびっくりすることばかりでした。こんなに歴史的な背景がしっかりあって、自分の知らなかったところでほんとに多くの方に支えられて何とかここまできた伝統行事だってことは、ほんとに調べようと思ったことすらなかったのでめちゃくちゃ勉強になりました。
伝統行事というと神事だし、ものすごくお堅いものだと勝手に想像していたんですけど、意外と柔軟性があって、こんなルートに変えよう、御旅所はここに移動しようとか、いろいろ変更してきたから続いてきたんだなというのが今回わかって、逞しさ、柔軟性というのが、大阪の人が持つパワーであり、そんな臨機応変さがあるからこそ時代に対応して来られたんだなというのがお祭りを通してよくわかりましたね。
毎年天神祭を楽しみにされている方も、そんなに関心がないという方も、この番組を見てもらえれば、一時間で一気に歴史とか今の様子とか全部わかりますので、これからの天神祭りをすごく楽しむことができると思います。私も今回これを知って絶対来年は足を運ばなきゃと思ったし、ぜひご覧いただきたいと思います!