東京・銀座に、鳥取の和牛ブランド“大山黒牛(だいせんくろうし)”を焼肉で味わうことができる店「焼肉 強小亭GINZA」が3月26日(月)よりグランドオープンする。事前に開催された試食会に潜入したので、その模様をレポートしよう。
“大山黒牛”は、鳥取県大山町で生産者の西田佳樹さん(西田畜産)が愛情を注いで育てた鳥取和牛のブランド。山陰地方を代表する名山「大山」の山麓が磨いた水や地元農家が減農薬で育てたお米のわらなどを食べて育った大山黒牛は、一頭一頭を手間ひまかけて飼育しているため、1ヶ月にたった2頭しか出荷することができないのだとか。この「焼肉 強小亭GINZA」は鳥取県外で唯一、大山黒牛を楽しめる店だという。
なお鳥取和牛は、2017年に開催された「全国和牛能力共進会(通称 和牛オリンピック)」のなかで肉質に関する審査の1位を獲得。“日本一の和牛”と認定された。牛肉といえば松坂牛や神戸牛が有名だが、鳥取和牛の歴史は古く平安時代にも大山山麓における牛の生産に関する記録が残るほど。鳥取和牛は和牛のルーツのひとつなのだ。
さっそく、その大山黒牛を味わってみよう。席につくと、目の前には西田畜産が育てた和牛であることを証明する子牛登記が印刷されたメニューが。大山黒牛にかける生産者の愛情を感じながら、やってくる肉に期待をふくらませる。
まず試食したのは赤身肉であるカメノコとイチボ。目の前でスタッフの方が1枚ずつ丁寧に焼き上げてくれる。肉の味わいを堪能するために、味付けは塩胡椒だけというシンプルな仕上げ。食す際も、タレではなく塩をつけていただく。口に運ぶと、肉の濃厚な風味が口のなかに広がる。そして、絶妙なサシが入っているためにとても柔らかく、とろけるような味わいを楽しむことができる。
そして続いて出された霜降り肉は、ザブトンのしゃぶしゃぶ。霜降り肉といえば、ちょっと脂っこいと感じる人もいるかもしれないが、大山黒牛の霜降りは驚くほど軽やかに食べることができる。それでいて、脂そのものの旨味が強く、味わいは奥深い。こちらもタレではなく大根おろしの入った出汁でいただくのだが、この出汁が肉の旨味を一層引き立ててくれただけでなく、軽やかな後味に一役買っていた。
最後に味わったのは、霜降りサーロインのすき焼き風。薄切りされたサーロインに軽くすき焼き風の下味をつけた一品だ。ロースターいっぱいに広がるほど大きな肉をさっと焼き上げて、鳥取県産のブランド卵「天美卵」の黄身に絡めて食す。すき焼きらしいタレと卵の濃厚な風味の中に、大山黒牛が本来持つ旨味が溢れ出す。口の中が極上の味わいでいっぱいになった。
こうして、極上の大山黒牛を堪能させていただいたが、そのほか前菜や野菜にも様々なこだわりが込められている。野菜はすべて鳥取県産にこだわり、シメの食事に使われる米も鳥取県産。そして前菜として出された大山黒牛牛の握りや雲丹の大山黒牛巻も、大山黒牛の赤身が持つ濃厚な旨味を堪能できる逸品だ。
「焼肉 強小亭GINZA」は、銀座の新たな名所「GINZA SIX」のすぐそば。メニューはコースのみで、10品のコースは1万5000円(税別)。ドリンク・アルコール類が飲み放題になる15品のコースも用意されている。銀座の喧騒から少し奥まったところにある隠れ家的な佇まいの店で、ここでしか味わえない上質な大山黒牛に出会ってみてはいかがだろうか。
『焼肉 強小亭GINZA オフィシャルサイト』( https://kyoshotei-ginza.com/ )