アルテイシア著のエッセイ『モヤる言葉、ヤバイ人 自尊心を削る人から心を守る「言葉の護身術」』1540円(税込)が、大和書房より6月17日(木)に発売された。
ヘルジャパンに生きる女子へ
ヘルジャパンに生きる女子は息してるだけで偉い。そんな女子がもっと生きやすくなってほしい。アルテイシアさんは、そんな悲願から「モヤる言葉に言い返す方法」や「ヤバい人から身を守る方法」など、女子が身を守るための「言葉の護身術」をコラムに書いてきた。
同書は、それらを一冊にまとめた、モヤる言葉・ヤバイ人を元気よくバットでかっとばす、痛快エッセイとなっている。
著者を救ったフェミニズム
誰かの発言にモヤった時、「これってハラスメント?」と思っても、「自分が気にしすぎなのかな…?」と思って怒りを飲み込んでしまったり、笑顔で受け流してしまったりする経験は誰もがあるのではないだろうか。
20代の頃、会社でセクハラやパワハラの標的にされたても「自分が悪いんだ」と思い、わきまえた女として振る舞ってきたというアルテイシアさん。怒りに蓋をして、自尊心を削られて苦しんでいた彼女を救ったのがフェミニズムだった。怒ってもよかったのかと気づき、押し殺していた感情を開放して言葉にすることで俄然生きやすくなったそう。
同書では、「あなたは強いからいいよね」「おじさん転がすの上手いよね」など、日常で遭遇するモヤる言葉を取り上げ、そのモヤモヤの原因と対処法を教える。
「いい奥さんになりそうだよね」という言葉にモヤモヤ
ここで、同書で取り上げられているモヤる言葉とその対処法を1つ紹介しよう。
「会社のイベント後に後片付けをしていたら、男性の先輩から『いい奥さんになりそうだよね』と言われてモヤりました」という女性からの報告。
この言葉にモヤるのは、「良妻賢母」や「内助の功」といった古ぼけたジェンダー観の押しつけを感じるから。相手が男だったらこの言葉を言わないだろう。
とはいえ、立場が上の先輩や上司に強い口調で注意するのは難しい。そんな時は反射的に笑顔を出すクセを封印し、「プーチン顔」(あまり私を怒らせない方がいい、という表情)をキメよう。さらに真顔のまま「…意外と古風な考え方なんですね」と返すといい。もしくは「私が男でも『いい夫になりそうだよね』って言います?」と「質問返し」をするのもアリだ。
すると相手は「自分の考えは時代遅れなのかな」と気づくかもしれない。無意識にばらまかれるジェンダーの呪いにモヤったときは、笑顔で愛想よく返すのではなく、言葉のバットで華麗にかっ飛ばしてほしい。
日頃のモヤモヤを吹き飛ばす武器を、同書から手に入れてみては。