日本介助犬協会にて介助犬ペア2組の認定へ向けた合同訓練がスタートした。
コロナ禍による中止も余儀なくされていたが、感染予防対策を徹底し、コロナ禍では初めて2組同時での合同訓練を実施する。
石橋奈美さんとモーリス
一人目は大阪府在住の石橋奈美さんだ。重症筋無力症の石橋さんは2013年より1頭目の介助犬ウルパと生活していた。ウルパと生活するまでは入院を繰り返し、自宅でも寝ていることが多かった石橋さんだが、ウルパが来てからは一緒に外出をしたり、夢だったアロマテラピーのインストラクターとしての講演活動が実現出来たり、とても活動的になった。
ウルパは引退を迎え、2代目介助犬候補犬モーリス(4歳、オス)との合同訓練を12月11日(土)より開始した。
我妻進之さんとオン
二人目は宮城県在住の我妻進之さんだ。複合性局所疼痛症候群の我妻さんは2017年より1頭目の介助犬グレープと生活していた。介助犬と生活する前からパラカヌーやパラバドミントンに取り組んでいたが、グレープと生活をするようになってから外出が苦にならなくなり練習も精力的に行うことができ、パラカヌーにおいては強化育成指定選手にも選出されるなど華やかな結果に繋がっている。
グレープも引退を迎え、2代目介助犬候補犬オン(2歳、オス)との合同訓練を12月13日(月)より開始した。
二人はまず、「介助犬総合訓練センター~シンシアの丘~」にて宿泊しながら候補犬たちとの訓練を各トレーナーから受け、その後、年末頃からそれぞれの自宅での在宅訓練を経て、指定法人による認定審査へ向かう。
コロナ禍による合同訓練のため、基礎疾患を有することの多い肢体不自由者に対しては最大限の配慮が必要だ。同協会ではコロナ禍以降、合同訓練を1年ほど中止していたが今年から感染症予防を徹底した上で再開し、今年はこれまでに2組のペアの合同訓練を行い、認定されている。
介助犬
介助犬とは、肢体不自由者一人一人のニーズに合わせて特別な訓練を受けた犬のこと。落としたものを拾う、携帯電話を探して持ってくるなど日常生活のサポートをする。全国で57ペアしかおらず、介助犬がいればより豊かな暮らしができるとされる肢体不自由者は15,000人にのぼりる。介助犬は無償で貸与されるが、その育成の約9割が企業・個人からの寄付や募金に頼っている。
興味のある人は介助犬育成への協力をしてみては。
日本介助犬協会 介助犬総合訓練センター~シンシアの丘~:https://s-dog.jp