Craifは、尿中マイクロRNAからがんを早期発見するがんリスクスクリーニング検査サービス『miSignal(マイシグナル)』シリーズのうち、卵巣がん検査の提供を、2月1日(火)より医療機関を通じて開始した。
尿を提供するだけでがんのリスクチェックが可能
Craifは、2018年5月創業の名古屋大学発ベンチャー企業。日本が誇る素材力を用いて尿からマイクロRNA(以下miRNA)を網羅的に捕捉し、AI(人工知能)を組みあわせて医療に応用することで、現在のがん診療が抱えるさまざまな課題解決に取り組んでいる。
がんリスクスクリーニング検査『miSignal』は、がんの発症や進行、転移に重要な役割を果たすmiRNAを尿から検出するPCR検査。独自の技術により尿中の微量なmiRNAを効率よく捕捉し、早期のがんリスクも高い精度で検出する。
同サービス最大の特長は“痛みがない”という点。医療機関へ尿を提供するだけで、負担なく気軽にがんのリスクチェックを行える。
なお、2月1日(火)より提供を開始する『miSignal』の対象がん種は「卵巣がん」となっている。Craifは今後、研究開発の進捗とともに順次「肺がん」など検査可能ながん種を増やしていく予定だ。
卵巣がんは早期発見が重要
日本における卵巣がんの罹患者数は13,049人(※1)、死亡率(対人口10万人)は7.5人(※2)。卵巣は骨盤内臓器であるため、腫瘍が発生、増殖しても初期段階では自覚症状に乏しく、初診時約半数の症例がIII、IV期の進行がんであると言われている(※3)。近年の治療法の進歩により治療成績は向上してきているものの、初回治療の後、約7割が3年以内に再発をきたしている(※4)。そのため、III期の5年生存率は46%、IV期は25.1%となっており、長期生存率は依然不良な状況だ。予後改善のためには早期発見が重要だが、未だに有用な検診手法が確立されていない。
このように卵巣がんは、新しい医薬品や治療法の開発が進歩しているものの、根本的に予後を改善するためには、早期のうちにがんを発見し治療を開始することが欠かせない。
Craifは、痛みのない、手軽な尿検査によりがんを早期発見できる手段を開発・提供することで、がんの予後改善に貢献していくという。詳細は、Webサイトで確認しよう。
『miSignal』Webサイト:http://misignal.jp/
※1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2018年度(全国がん登録)
※2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)
※3 日本産婦人科学会婦人科腫瘍委員会報告2017年度患者年報
※4 Ledermann, J. A., et al. “Newly diagnosed and relapsed epithelial ovarian carcinoma: ESMO Clinical Practice Guidelines for diagnosis, treatment and follow-up.” Annals of oncology 24 (2013)