9月に創立50周年を迎えた「シャプラニール=市民による海外協力の会」は、海外旅行や出張などで使いきれなかった外貨紙幣を収集し、途上国支援に活かす「旅行の思い出が南アジアの支援につながる外貨寄付キャンペーン」を10月5日(水)~11月9日(水)の期間、実施している。
7ドルで、通学に必要なカバン1人分相当に
COVID-19の影響で過去数年、海外旅行の機会は激減していたが、現在は各国の水際対策の緩和により、世界各国からの観光客の受け入れや海外出張の機会も徐々に増加傾向にある。
同団体では、旅行や出張で使いきれなかった外貨や、自宅に眠っている外貨の寄付の呼びかけている。特に米ドルなどは円安の影響でこれまでより多くの寄付につながるそうだ。2021年度には約135万円になる外貨寄付が全国から寄せられた。
同団体へ届いた外貨紙幣は日本で換金したあと、児童労働の削減や予防の支援など、途上国での支援活動に役立てられる。同キャンペーンの対象外貨は、米ドル、ユーロ、英ポンド、中国元など各国の外貨紙幣。寄付は、外国紙幣を封筒などに入れて同団体の東京事務所まで送る。
送り先、その他詳細は、公式サイトで確認を。
なお、例として、中国元150元(3,000円相当の寄付)で、子どもたちの教育支援(学費援助、文房具、教科書等)1人分相当に、米ドル$7(1,000円相当の寄付)で、通学に必要なカバン1人分相当になるとのことだ。
根本的な問題解決を促すシャプラニールの活動
ネパールの子ども(5~17歳)のうち15.3%にあたる約108万人が児童労働に従事していると言われ、世界でも児童労働従事者の多い国だ(ILO、2021)。
ネパール政府は2025年までに児童労働を撲滅することを目標に掲げているが、児童労働をなくすための具体的な制度はまだ十分に機能していない。
このことから同団体は、児童労働の送り出し地域となっているマクワンプール郡マナハリ村で、現地パートナーNGOや行政機関と協働して「児童保護権利政策」「児童労働撲滅行動計画」などを作成し、子どもの権利保護機能の強化を進めている。
さらに子どもの権利に関するワークショップなどを通じた地域全体への啓発活動のほかに、児童労働に陥る可能性の高い貧困家庭の子どもが学校に通い続けられるように各家庭の需要に合わせた教育支援や保護者への生活支援なども実施している。
この機会に使わなくなった外貨紙幣の寄付をして、身近な国際協力を始めてみては。
■旅行の思い出が南アジアの支援につながる外貨寄付キャンペーン
開催期間:10月5日(水)~11月9日(水)
シャプラニール公式サイト:https://www.shaplaneer.org/
(角谷良平)