12月5日(月)、長期滞在型ホテルのオペレーターであるセクションLは、東京都中央区に「SECTION L Hatchobori」を開業した。
インバウンド解禁後に日本で必要とされる宿泊施設
日本政策投資銀行の調査によると、訪日旅行時の平均宿泊日数は伸び傾向にあるという。インバウンド全体では、平均7泊以上、中でも欧米豪の旅行客の平均滞在日数は10泊以上とされている。
また、高収入者層(年収約1,200万円以上)の訪日客は増加傾向にあり、特に2021年の欧米豪からの訪日客は約23%(5分の1以上)が高収入者層となった。
同行の分析によると、高収入者層の約58%の日本での一泊当たりの宿泊費は200米ドル以上(約28,000円)とされている。ホテル業界において客室単価が2万円を越える宿泊施設は、アップスケール(高価格帯)カテゴリーに当てはまる。
アップスケールカテゴリーでの長期滞在施設の不足
年間約300万人の訪日高収入者層が、アップスケールカテゴリー以上の宿泊施設に滞在を希望している中、日本国内では長期滞在に適したカテゴリーの宿泊施設が供給不足とみられる。
例えば東京都内における高価格帯かつ、キッチンやランドリーを各部屋に備えているアパートメントホテルとブランドサービスアパートの総部屋数は約4,000室とされている。これは約18万部屋ある東京都内の宿泊施設の約2%のみだ。
「SECTION L Hatchobori」の特徴
SECTION Lブランドのホテルは、平均滞在日数5泊以上の顧客をターゲットにしている。従来のホテルで長期滞在する際に想定される「外食が続き、洗濯物が溜まり、落ち着いて作業できる空間がない」の問題を解消するため、「調理器具完備のキッチン、洗濯機、作業も食事もできるテーブル」を共有ではなく全室に備えている。
また、SECTION Lブランドのホテルでは、ストーリー性のあるローカルアートを積極的に取り入れているのも特徴。「SECTION L Hatchobori」では、架空の雑誌の表紙を集めたアート・ムーブメント「The Tokyoiter」とコラボレーションを行い、全部屋に異なるアートを展示している。
さらに、ホテル周辺の飲食店、公園、銭湯などにもSECTION Lのスタッフが足を運び、旅行客が安心して東京の芸術文化と、現地の名店に溶け込める仕掛けをつくっている。
近年、効率化向上(人件費削減)のために、自動チェックイン機械がホテルで多く導入されているが、SECTION Lは、チェックインタブレットで顧客の情報を取り込むだけではなく、自社ウェブアプリのInterSectionに誘導している。
InterSectionへの登録はオプションだが、清掃や延泊などの滞在中の追加リクエストや、SECTION Lに泊まっている他の旅行者と繋がるなど、顧客体験を向上するテクノロジーを導入している。
東京に長期滞在する際は、「SECTION L Hatchobori」を活用してみては。
SECTION L Hatchobori:https://section-l.co/hatchobori/
(佐藤 ひより)