大阪石材工業は、従来、墓石として使うことができず土木材などになっていた柄や模様の入った石材を、新しいデザインとして利用し、「re産」という名でブランド化。富田林市にある大阪石材工業南大阪店にて、柄や模様の入った石材を展示する「re産サロン」を2023年1月21日(土)にオープンする。
「re産」は、re=再び、産=産まれかわる、という意味が込められている。
お墓になる石材は全体の3%~5%
従来、ナデと言われる柄や模様がある石材は、お墓になることはないという。
「お墓は、均一な石目であるべし」というある種の日本的な美意識から、石目が合わない、均一ではない石材は選別されるそうだ。
そのため、採石場で切り出しても、お墓になる石材は全体の3%~5%だという。
お墓として使えない石は、細かく砕いて砂利として使われたり埋め立て用地に使用されたり、石材産地にて山積みにされた状態で放置されている。
世界で一つだけの墓を作るサロン
同社は、全国の石材産地から、ナデの入った原石を集め、まるで板前のように、購入者と切り方を打ち合わせて、「世界で一つだけの墓」を作るサロンである、「re産サロン」を誕生させる。
日本の石材使用量は、ピーク時120万トンと言われたが、外国産墓石の台頭、少子化によるお墓じまい、永代供養墓の出現により、現在は30万トンに減少したと言われている。
このままでは、地場産業としての石材業が空洞化し伝統的な石工の技術が失われる可能性があるという。同社は、自然の恵みを余すことなく使用するSDGsなお墓を提唱し、根付かせることで日本の石材産地を応援したいそうだ。
今後の展望
大阪石材工業では、現在、香川県庵治石の採石場と、愛媛県大島石の採石場にライブカメラを設置して、リアルタイムで採石している様子を見ることができるシステムを構築した。
さらに、新しいSDGsなお墓の販売だけではなく、それぞれの石材が産まれたところを見るこができることで、どのようにして石が採れているのか、いかに希少かを実感してもらうことで、石材への愛着を持ってもらえるようにする。
また、今後は、ライブカメラを設置する採石場を増やし、更にはリアルタイムで見られる石材店を増やし、両者を結び付けることで、国産材の復興を石材業界に投げかけていくという。またコロナ禍における非対面の営業活動をライブカメラやビデオ通話にて行っていくという
SDGsなお墓づくり
富田林市は、全国1800ある自治体の中でもSDGsの取り組みに力を入れており、「SDGs未来都市・自治体SDGsモデル事業」に選定されている。
「re産サロン」がある大阪石材工業南大阪店は、富田林市のSDGsパートナー企業に登録しており、「SDGsなお墓」の取り組みにおいて、富田林市主催のSDGs交流会にて事例発表を行った。
2023年3月には、SDGsパートナー企業にも出店してもらえるイベントを予定しており、地域との共創の輪を広めていくそうだ。
SDGsなお墓を掲げる大阪石材工業のショールームである「re産サロン」に注目してみては。
■re産サロン
オープン:2023年1月21日(土)
住所:大阪府富田林市佐備1808
営業時間:9:00~16:00
大阪石材工業:https://osakasekizai-minamiosaka.com/
(角谷良平)