オリジナル革製品の企画・デザイン・販売を行うステータシーは、廃棄コーヒー豆を有効利用して高品質かつ長尺の合成皮革へと改新させることに成功し、2023年国内初の販売を開始する。
廃棄コーヒー豆を使ったヴィーガンレザー
新たなヴィーガンレザーである、コーヒーレザーは、コーヒーの焙煎時などに発生する「規格外品」の廃棄豆や抽出後のコーヒー残渣をリサイクルした新素材。国内及び、国際特許出願中だ。
ステータシーは、世界でも類を見ない廃棄コーヒー豆そのものを使ったアップサイクル素材のヴィーガンレザーとして、メイドインジャパンの新境地を目指している。
世界でも類を見ない新素材
日本国内外で注目を浴びているヴィーガンレザー。現在世界ではパイナップル繊維、マッシュルーム、りんごの皮、サボテンなど様々な素材が開発されているが、廃棄コーヒー豆そのものを微粉砕して素材に再利用した長尺のコーヒーレザーは、1月時点の同社調べでは国内で初めてとなり、世界でも類を見ない新素材。
また、この技術の応用では、水分を含んだ抽出後のコーヒー残渣(コーヒーカス)も同等に合成皮革へと改質できる見通しだという。
消臭効果が認められたコーヒーレザー
コーヒーの香りがほのかに残っているコーヒーレザーは、SEKマーク製品認証基準の消臭性試験で合格基準を大きく上回るテスト結果が出た。
その性質を利用し、今後アパレル製品、家具や壁紙、車両向けシート素材など、利用の幅が更に広がることが期待できる。
コーヒーに着目した理由
ステータシーがヴィーガンレザーの開発に際し、コーヒーに着目した一番の理由は「身近で廃棄が多い食品である」という点。全日本コーヒー協会発表の「日本のコーヒー需給表(2021)」によると、国内のコーヒー消費量は42万トン以上と報告されており、それに伴って大量のコーヒーカスが廃棄されている。
抽出済みのコーヒーカスからは温室効果ガスの一種であるメタンガスを発生させることが問題となっており、世界では廃棄方法や活用法が検討されている。
また、コーヒーカス以外にも焼き過ぎ、焼き不足など焙煎不良や搬出時に出る割れた豆、包装時に出る端数品など販売できずに「廃棄されるコーヒー豆」を含めると、大量の廃棄量に及ぶと推定できる。そこでステータシーは、このコーヒー豆やコーヒーカスを再利用する取り組みとして、ヴィーガンレザーの開発に乗り出した。
滋賀県経営革新事業の承認事業に認定
コーヒーレザーを作る事業は滋賀県経営革新事業の承認事業に認定されている。
コーヒーレザーは、現在約100メートルの長尺製作を終えており、2023年のテスト販売に向けて品質チェックの段階に進んでいる。
「SOZAI展 in Gift Show」で初公開
ステータシーは、日本の技術を掛け合わせ、世界に先駆けたヴィーガン素材の開発を目指している。コーヒーレザーは、2月に東京ビックサイトにて行われる「SOZAI展 in Gift Show」で初公開される。
世界でも類を見ない新素材!コーヒーレザーの今後にも注目してみては。
■SOZAI展 in Gift Show
日程:2月15日(水)~17日(金)
会場:東京ビックサイト
ステータシー公式サイト:https://statusy.jp/
(角谷良平)