河川ごみ問題の解決に向けて25年以上活動を続ける「荒川クリーンエイド・フォーラム」は、身に着けることで河川/海洋ごみ問題に寄り添うマイクロプラスチックアクセサリー「aid to(エイド トゥ)」を本格始動し、ブランド公式サイトにて販売開始した。
河川ごみ問題について新たな層へアプローチ
「荒川クリーンエイド・フォーラム」は、河川/海洋ごみ問題と向き合い、自然と共に生きる社会を目指すNPO法人。荒川のごみを調べながら拾うことを通じて、自然環境の回復と荒川に集い思いを寄せる人々の交流を作り出しており、1994年から過去27年間に延べ24万人を超える参加者を動員してきた。
COVID-19の影響は、荒川での清掃活動にも影を落とした。以前は大人数で活動していた荒川清掃活動も小規模化。回収されないごみは街から川へ、最終的には海に流出する。“COVID-19は契機。新たな層へ河川ごみ問題を伝えたい”との思いから、これまで清掃活動参加者のメインであった男性とは違う新たな層へのアプローチとして、マイクロプラスチックアクセサリー「aid to」が誕生した。
カジュアルに河川ごみ問題を考えるアイテム
「aid to」は、荒川で採取した5mm以下のプラスチックごみ「マイクロプラスチック」を材料に製作されたアクセサリー。材料のマイクロプラスチックは、実際に荒川にて採取し、パーツとして使えそうなものを1粒ずつ選別しており、選別後に洗浄して製作した“1点もの”となっている。
「Arakawa シリーズ」3,300円(税込)は、荒川に特に多い白・黒のレジンペレットを使用している。
「aid to」は、紫外線硬化樹脂を使用し製作しているため、それ自体は環境に良いものではなく、あえてアップサイクルやエシカルという言葉を使っていない。“デイリーにカジュアルに”河川ごみ問題を考えてもらうアイテムを販売することは、同団体が28年間続けている河川/海洋ごみ問題を、次のステップに届けるための挑戦だ。
海洋/河川ごみ問題の課題解決への一歩に
過剰包装・使い捨て文化から新しい文化への変容には、海洋/河川問題そのものの認知を高める必要がある。マイクロプラスチック1粒に大きな影響はないが、しかしそれらが大量になったときの人間への影響はまだ全容が解明されているわけではない。その一方、すでに魚や鳥など人間より身体が小さな生き物へは影響が出ていると言われている。
荒川河口で見られる土には、マイクロプラスチックが大量に含まれている。こうした環境問題は、私たち一人ひとりの生活がもたらしてきたもの。それを解決できるのもまた私たち。できるだけ使い捨ての製品は買わないこと。捨てる場合は、適切に回収されるようにすること。その1つ1つが未来への選択だ。1人の力では解決できないことも、積み重なれば大きな力となり社会課題解決への一歩となる。「荒川クリーンエイド・フォーラム」は、将来、海洋/河川ごみ問題への認知が高まり、このアクセサリーの製作自体が終わることを願っているという。
マイクロプラスチックアクセサリー「aid to」のアイテムを身につけて、河川/海洋ごみ問題について考えてみては。
aid to HP:https://aid-to.cleanaid.jp/
(山本えり)