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絵本「タオルの帽子」書籍化へ。今治タオルの物語を通じて日本のモノづくりを伝えたい

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今治タオルはその技術や品質の高さで国内外において高い評価を得ているが、技術者の高齢化や後継者の不足などにより、年々縮小傾向にある。この問題を解決するために、辻智佐子氏(城西大学)と今治市立図書館との協働で主催する「タオルびと」制作プロジェクト委員会は、デジタル絵本「タオルの帽子」の書籍化へ向け、「READY FOR」にてクラウドファンディングを実施している。

タオルづくりに携わる人に迫る「タオルびと」

同委員会は、タオルは単なる使い捨ての消費財ではなく人生を豊かなものにしてくれるモノであり、そんな感動的なモノをどこでどんな人がつくっているのかについて関心を持ってもらいたいと、「タオルびと」制作プロジェクトを推進中だ。


そのなかで、戦後から現在において今治市周辺地域でタオルづくりに携わる人にインタビューした内容を活字化して「オーラルヒストリー」(口述歴史)として資料保存するとともに、今治市立図書館のホームページより「タオルびと」としてデジタル配信している。

102の応募作品から選ばれた原案「タオル帽子」


そんな「タオルびと」の活動10年を記念する事業として、2021年4月1日~7月31日の期間、タオルを題材にしたストーリー(物語)を募集。全国から102作品が集まり、その中から「タオルびと」賞3作品、審査員賞3作品、MAYA MAXX賞1作品が決定した。

審査員を務めたMAYA MAXX氏が選出したMAYA MAXX賞受賞作品は、今治市在住の伊藤幸恵氏の「タオル帽子」。伊藤氏は現在、「すまいるの会(東予がん患者と家族の会)」の代表を務めており、10年前から手作りのタオル帽子をがん患者に無料で届けている。こうした自身の体験を題材にタオルへの思いを文章に綴ったという。

生と死をテーマとする「タオルの帽子」

MAYA MAXX氏は、この「タオル帽子」にインスピレーションを受け、人間の心に訴えるタオルのデジタル絵本「タオルの帽子」を作成。2022年3月13日~4月12日の期間、今治市立図書館ホームページにて無料公開した。

「タオルの帽子」は、生と死という人間にとって永遠のテーマを取り上げた絵本。一般に絵本といえば、子ども向けの楽しくハッピーエンドのストーリーをイメージするが、同作は経験に基づく人生観や世界観が描かれた哲学書のような内容になっている。

「タオルの帽子」書籍化へ向けクラファン実施

デジタル絵本である「タオルの帽子」を、より多くの人に読んでもらいたいという思いのもと、書籍化を計画。書籍化に必要な財源をクラウドファンディングサイト「READY FOR」にて募っている。

同作を多くの人に届けることで、「タオルびと」を知ってもらい、今治のタオルづくりに興味を持ってもらいたいとのこと。また、日本のモノづくりを絶やさないために、わたしたちができることは何かを皆で考えて行動することにもつなげたいとしている。

なお、支援金で書籍化された絵本の一部は、全国のがんセンターをはじめ、愛媛県内の公立図書館、今治市内の小中学校に寄贈する予定とのことだ。

日常生活に欠かせないタオルだが、その生産地や職人に注目する機会はあまりないだろう。この機会に、今も職人によって進化し続けるタオルのストーリーを読み、日本のモノづくりについて考えてみよう。

READY FOR:https://readyfor.jp/
プロジェクト名:日本のモノづくりを伝えたい 「タオルの帽子」書籍化計画

今治市立図書館ホームページ「タオルびと」コーナー:http://www.library.imabari.ehime.jp/towelbito/index.html

(Higuchi)

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