愛知県陶磁美術館は、1月28日(土)より、特別展「アーツ・アンド・クラフツとデザイン ウィリアム・モリスからフランク・ロイド・ライトまで」を開催している。

心豊かな暮らしのためのデザインが結集

同展では、19世紀の装飾芸術家のウィリアム・モリスをはじめ、英米のアーツ・アンド・クラフツ運動の代表作家による「心豊かな暮らしのためのデザイン」が結集。

アメリカのティファニーやフランク・ロイド・ライトも網羅した、大規模な展示だ。

《いちご泥棒》 ウィリアム・モリス 1883年 モリス商会　Photo ©Brain Trust Inc.

《サセックス・シリーズの肘掛け椅子》 おそらくフィリップ・ウェッブ 1860年頃　Photo ©Brain Trust Inc.

ウィリアム・モリスの名品や、モリス商会の人気商品も登場し、ウィリアム・モリスが初期に手掛けた壁紙をはじめ、モリス商会の代表的なテキスタイル、家具のほか、晩年に情熱を注いだ書籍デザインなどを観賞できる。

タイル《バラと格子》 ウィリアム・ド・モーガン 1872年頃　ド・モーガン工房　Photo ©Brain Trust Inc.

《小鳥》 C・F・A・ヴォイジー 1918年頃 モートン・サンダー・ファブリック社　Photo ©Brain Trust Inc.

《蓋付きマフィン銀皿》チャールズ・ロバート・アシュビー1900年頃　ギルド・オブ・ハンディクラフト　Photo ©Brain Trust Inc.

モリスの理念と実践は、次世代のデザイナーや建築家に大きな影響を与えた。同展では、モリスに共鳴した代表的な作家の作品も登場する。

《銀とムーンストーンのネックレス》おそらくエドワード・スペンサー　アーティフィサーズ・ギルド　Photo ©Brain Trust Inc.

挿絵《エレーン：国王牧歌》ジェシー・マリオン・キング　1903年　ジョージ・ラウトリッジ・アンド・サンズ出版社

アーツ・アンド・クラフツ運動は、次第に産業デザインとして展開。多くの人に美しいデザインを提供するべく、リバティ商会をはじめ、各メーカーが同運動の製品を販売した。

《三輪のリリィの金色ランプ》 1901-1925年 ティファニー・スタジオ　Photo ©Brain Trust Inc.

世界各地に広がったアーツ・アンド・クラフツ運動は、それぞれの文化や風土を背景に展開。アメリカのアーツ・アンド・クラフツ運動は、新大陸ならではの合理性やクラフツマンシップを発揮した。

開催概要

《花のピッチャー》 ウィリアム・ムーアクロフト 1919年頃 ジェイムス・マッキンタイア商会 国立研究開発法人 産業技術総合研究所蔵(愛知県陶磁美術館寄託)

特集展示「アーツ＆クラフツの陶芸－産業技術総合研究所のコレクションから」も同時開催となる。

会期は、1月28日(土)～3月26日(日)で休館日は毎週月曜日。開館時間は9:30～16:30(入館は16:00まで)。1月28日(土)は開会式のため観覧は11:00～。

観覧料は一般900円(720円)、高大生700円(560円)、中学生以下無料。なお、()内は20名以上の団体料金だ。各種割引制度がある。詳細は公式Webページで確認しよう。

心豊かな暮らしのためのデザインを楽しんでみては。

■アーツ・アンド・クラフツとデザイン　フランク・ロイド・ライトからウィリアム・モリスまで
会場：愛知県陶磁美術館 本館
住所：愛知県瀬戸市南山口町234番地
URL：https://www.pref.aichi.jp/touji/exhibition/2022/t_artsandcrafts/index.html

(さえきそうすけ)