和歌山県北山村が、同村に本社を置くじゃばらいず北山に委託し、香酸柑橘「じゃばら」を使用することで花粉症に対して効用があるのか調べる調査を実施する。それに伴い、「じゃばら花粉症モニター2023」を、1月30日(月)~2月20日(月)/2月21日(火)~3月20日(月)の2回に分けて募集する。
日本で唯一の飛び地の村
北山村は、紀伊半島の中央部に位置し、三重県と奈良県に囲まれた、和歌山県でありながら和歌山県のどの市町村とも隣接しない全国でも唯一の飛び地の村。面積の97%を山林が占め、北山川が悠々と流れる自然豊かな村だ。
過疎化、少子高齢化、雇用、農業や林業の後継者不足など、日本の多くの中山間地が問題を抱える中、北山村では“自らの地域は自らが守り育てる”という自立心と信念をもって地域づくりに取り組んでいる。
伝統文化でもある「筏」を今に伝える「観光筏下り」や、全国唯一の特産品「じゃばら」は、北山村のブランドとして定着し、知名度も上昇している。
村おこしの救世主「じゃばら」
「じゃばら」は、古来より北山村に自生していた。邪(気)を払うに由来し、縁起のよい柑橘とされ、昔から正月料理には欠かすことのできないものだった。昭和初期には村内にたくさんの木があったが、酸味が強いということもあってあまり栽培されなくなり、同村がじゃばら事業の取り組みを始める直前には村内で唯一1本しか木が残っておらず、存続が危ぶまれる状況だった。
その1本の木は、村おこしの救世主として大事に育てられ、現在では約8ヘクタールの農園に約5,000本を栽培し、毎年100トン前後収穫している。
村営の加工場で果汁、ドリンク、ぽん酢やジャムなどを生産し、ネット販売のほか、主要都市部のデパートなどでも販売しており、人口約400人の村で出荷ピーク時には30名近くの雇用を生む、村内では一番大きな産業になっている。
じゃばら花粉症モニター2023
「じゃばら」は、ほかの柑橘に比べ、フラボノイドの一種である「ナリルチン」という成分が多く含まれる。この成分は、花粉症への緩和に有効であるとの期待から注目されており、東京家政大学・東京医科歯科大学・開業医の先生たちによる論文も発表されている。
モニター調査は、「じゃばら」の花粉症に対する効用を定期的に調査し、回を重ねて信憑性の高いデータを収集・提供することで、全国の人に北山村の「じゃばら」をより知ってもらうことを目的としている。同村では、調査を2001年に初めて実施して以来不定期に行っており、今回は3年連続で通算8回目の実施となる。
2021年の調査では、回答アンケートなどを東京家政大学と共同で作成。今回も2021年、2022年に続き、このアンケートを利用する。昨年、一昨年は何らかの効果があったと実感した人が80%以上と高い数字が出ており、今回も精度の高いモニター調査で近年における具体的な結果が出ることを期待しているという。
モニター対象は、花粉症の人で、モニター期間終了後にWEB上でアンケートに答えられる人。サンプルの「じゃばら果皮粉末15g」を毎日1g程度、15日間ほど摂取する。応募は下記URLで受け付けており、一人一回限り。定員を超えた場合は抽選になる。
花粉症に悩んでいる人は、北山村の「じゃばら花粉症モニター2023」に応募してみては。
募集ページ:https://kitayamamura.net/jabara/monitor2023/
(山本えり)