広島県に拠点を置くノラクリエイト(野良道具製作所)と御園(御園工房)は、それぞれが持つアウトドア事業と福祉事業の共同プロジェクト「Outdoor Welfare(アウトドア・ウェルフェア)」をスタートさせる。

第一弾として、不要になったアウトドア衣料を就労支援施設で加工し製作した「もったいない草履」をリリースする。

アウトドア用品メーカー×就労支援事業所

“どこかインドアで、閉鎖されたイメージが強い障がい者支援。それを、もっと「そと」へ。障がい者雇用を増やし、QOLの向上を目指すため、まずは障がい者雇用へのイメージを変えていきたい。”という思いから、アウトドア用品メーカー・野良道具製作所と、就労支援事業所・御園工房がタッグを組み、両者共通の理念で取り組んでいるのが「Outdoor Welfare」だ。

共同企画製品第一弾「もったいない草履」

共同企画製品第一弾「もったいない草履」は、アウトドアで不要になったり、結局使わなかった衣類(Tシャツ)を材料に、御園工房の利用者の手で一つ一つ編まれた布草履。

「もったいない草履」は、8月15日(火)から、旧広島市民球場跡地・シミントひろしま内の野良道具製作所の直営店舗、または公式オンラインストアで販売される。

また同時に、材料となるTシャツの寄付も、野良道具製作所の直営店舗にて随時受け付けている。

「Outdoor Welfare」を始動した理由と今後について

アウトドア・キャンプブームが盛り上がる一方、障がい者支援の世界では常に「仕事がない(少ない)」という状況が続いている。

アウトドア用品メーカーとしての活動をスタートした5年前、最初の製品「野良ストーブ」の組立梱包を就労支援施設に依頼したところからはじまり、これまで多くの面で就労支援施設の人々に助けてもらってきたという野良道具製作所。その経験から、就労支援施設で仕事がないのは、働き手が「障がい者だから」ではなく、企業側が「障がい者だからできない」と勝手に思い込んでいることだという考えに至った。

その思い込みを払拭すること、そして、より幅広い仕事を障がい福祉の世界に取り入れていくこと、それによって全ての人に豊かで明るい暮らしを送ってもらうことを目指し、今回「Outdoor Welfare」という活動をスタートさせた。

今後は、「Outdoor Welfare」の発展としてさらなる製品開発はもちろん、障がいのある人とその家族や支援者たちでキャンプイベントの開催や、福祉施設とアウトドアメーカーの販売イベントの開催、母子家庭のキャンプサポートイベントなど、今までになかった福祉的なアウトドア活動を展開したいと考えているという。

また、就労支援施設・御園工房では、アウトドア事業含め幅広い仕事内容を提供し、利用者に活力ある毎日を送ってもらうべく全力で奮闘しているので、利用希望者は気軽に問い合わせてほしいとのことだ。

障がい者雇用へのイメージを変えていきたいとの思いでスタートした「Outdoor Welfare」の今後の活動にも注目だ。

野良道具製作所公式サイト：https://norastove.com/
野良道具製作所公式オンラインストア：https://norastove.stores.jp/
御園公式サイト：http://misonokaze.jp/

(角谷良平)