日本中では目まぐるしく、日々いろんなイベントがひらかれている。「そんな日本には、どのような土地があるのだろう」と、写真家として活動している私(仁科勝介)は、“平成の大合併”時に残っていた、旧市町村をすべて巡る旅に出た。その数は2000を超える。
今回、地域や自治体、企業の取り組み、新商品などの情報を発信するニュースサイト「ストレートプレス」で、それらを紹介する機会をいただいたので、写真を添えて連載をスタートした。
「ストレートプレス」内に登場するローカルな市町村と、関係があるかもしれない。
今回は、群馬県旧榛名町(高崎市)を写真とともに紹介する。
Vol.64/群馬県旧榛名町(高崎市)
榛名といえば榛名山、そして榛名湖だ。榛名湖は標高1,100メートルにあり、栃木県日光の中禅寺湖(1,269メートル)に次いで標高が高い。ようやく榛名湖へ向かう山道をのぼりきったあと、木々の植生がまるっきり変わった。山の木々にほとんど葉がなく、一面が茶色である。
榛名湖は空の青が突き刺さり、湖面には濃い青色が浮かんでいる。風下に小さなさざなみが立ち、透明な水しぶきが水辺に当たって砕け散った。
榛名神社にも行ってみることにした。境内まで近いと思っていたら、大間違い。息を切らしてなんとか本殿に着いた。本殿は工事中だったが、とても気持ちいい。参道の大小さまざまな社殿は歴史を感じるものばかりで、歩きながら時代を遡っているようであった。土地に込められた時間や祈りというものを、人々は求めている。
(仁科勝介)
仁科勝介(Katsusuke Nishina にしなかつすけ)/かつお
写真家として活動。1996年、岡山県倉敷市生まれ。広島大学在学中に、日本の全1741の市町村を巡る。
『ふるさとの手帖』(KADOKAWA)、『環遊日本摩托車日記(翻訳|邱香凝氏)』(日出出版)をはじめ、2022年には『どこで暮らしても』(自費出版)を刊行。
旧市町村一周の旅『ふるさとの手帖』:https://katsuo247.jp
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